Gibsonアコースティック、スモールボディーの魅力に迫る!

いつもGuitarQuestをご覧いただき、ありがとうございます。アコースティックギター担当の藤本です。

前回、SJ-200についての記事を書かせていただきましたが、多くの方にご覧いただけたようで何よりです。今回も前回に続いて、「Gibsonアコースティックギター」についてお伝えしたいと思います!

皆様は「Gibsonアコースティックギター」と聞いて、まず思い浮かべるのは、やはり、J-45でしょうか。それとも、HUMMINGBIRDでしょうか。はたまた、SJ-200?どのモデルも世界中の多くのミュージシャン、ギタリストに愛され続けているギターであることは言うまでもありません。

しかし、1960年に誕生したHUMMINGBIRD、1942年に誕生したJ-45、そして1937年に誕生したSJ-200よりも先に誕生したのが、L-1やL-00といった所謂「スモールボディー」です。そこで今回は最も歴史あるGibsonアコースティックギターとして「スモールボディー」についてお伝えさせていただきます!

gibsonスモールボディー

Gibsonアコースティックギター製作のはじまり

1894年、Gibson社の創設者であるオーヴィル・ヘンリー・ギブソン氏がマンドリン製作をはじめ、1902年に会社を設立したのが始まり。そして、1902年~1920年代までは主にアーチトップギター(ピックギター)を製作していました。今でこそGibsonアコースティックギターといえばJ-45などに見られる「フラットトップ」ですが、1920年代前半まではボディーが丸みを帯びた「アーチトップ」が主でした。

時代の流れ、ライバル会社へ対抗するためにGibson社は1926年から現在のGibsonアコースティックギターに見られる「フラットトップ」スタイルのギターの製作を開始します。この時に「初めてのGibsonフラットトップギター」として誕生するのがL-1です。

■1926年~ L-1誕生
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※写真は現行モデルの1928年仕様を踏襲した L-1 Blues Tribute

小ぶりなボディーサイズ、12フレット・ジョイント、オールドタイプのブリッジスタイルなどなど、後に誕生するJ-45などとは異なります。エリック・クラプトンも敬愛するロバート・ジョンソンが愛用していたことでも有名です。
(ボディーサイズは誕生当時は13.5インチ幅、後に14.75インチ幅へと仕様変更)

そしてGibsonアコースティックギター、そして所謂「アーティストモデル」を語る上で忘れてはいけないのが、1928年に誕生したNick Lucasモデル。1920年代当時、超人気ミュージシャンだったNick Lucasのアーティストモデル。当時、他ブランドでは「アーティストモデル」は存在しなく、「世界初のアーティストモデル」として誕生しました。

■1928年~ ニック・ルーカス・モデル誕生
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※写真は2015年に発売されたNick Lucas Koa Supreme
(※誕生から1941年までボディーサイズ、ボディー材などスペックの変更が多くあったNick Lucasモデル。その点についてはまたの機会に・・・)

最後にご紹介するのは「BLUES KING」の異名をもつ、1932年誕生のL-00です。

■1932年~ L-00誕生
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L-1同様に小ぶりな14.75インチ幅のボディーサイズですが、こちらは14フレットジョイント仕様で誕生。特にブルースギタリストに愛用され、小ぶりながら骨太なサウンドが持ち味です。また1930年代のGibsonギターの特徴ともいえる黒縁の大きいサンバースト具合がなんともいえません。

※写真は現行モデルの1932年仕様を踏襲したL-00 Vintage

Gibsonスモールボディーの魅力

今回ご紹介したこれらスモールギターの最大の特徴は、小ぶりなサイズ故のフォーカスされた音像です。J-45などラウンドショルダー程の低音も出ません、SJ-200のような奥行き感のあるサウンドでもありません。しかし、小気味よくゴツっとしたアタック、素早いレスポンス、レコーディング環境などのマイクのりの良さ、は他モデルにはないストロングポイントだと感じます。ハードにストロークしてもガッツのあるアタッキーなサウンドが力強く、フィンガーで爪弾いてもレスポンスの良さを感じていただけると思います。

歴史的な要素をみてもグっとくる存在。

小さいけど、なんだか強そうな顔つき。

弾いてみると病み付きになるブルージーで土臭いサウンド。

非常に魅力を感じます、Gibsonスモールボディー。皆様も是非一度、手にとってみてください。

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