ストリングベンダー特集その3

ストリングベンダー
前回に続いてストリングベンダー特集第三弾です。
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今回はストリングベンダーのタイプ別の特徴と入手について書いてみましょう。

ショルダー・ストラップ・タイプ




↑現在はヒップショットの扱いとなっているパーソンズ/グリーン・ストリングベンダー。

ストラップで操作するタイプです。ギター背面に大きなザグリを入れる必要がありますが、スプリングの力でリリースするのでレスポンスが良好で、速い演奏にも追従します。

元祖のパーソンズ/ホワイトをはじめ、デイヴ・エヴァンズ(パーソンズ/エヴァンズ)、パーソンズ/グリーン、ジョー・グレイザー、シェルトン、マッケンジー、フォレスト・リーなどが該当します。残念ながら、ほとんどの物は日本で入手できませんが、最近までフェンダーで作られていたパーソンズ/グリーンのストリングベンダーが後述のヒップショットで扱われるようになりました。

輸入代理店の神田商会によると、お待ちいただくことになりますがお取り寄せは可能とのことでした。イシバシ楽器店にご相談ください。パーム・レバーとパーソンズ/グリーン・ベンダーをセットにしたキットもあります。
弊社が輸入代理店となっているワッシュバーンのアコースティック・ギターにフォレスト・リーのシステムを取り付けた製品もあります。



↑ワッシュバーンのベンダー内蔵アコースティック・ギター、WDFLB28SCE。



↑ヒップショットからは、パーソンズ/グリーンのシステムとパーム・レバー、5弦と6弦のドロップ・レバーを組み合わせた豪華(?)システムも提案されています。

ちなみに、ストリングベンダーのオリジネーター、パーソンズ/ホワイト製品はジーン・パーソンズの工房で取り付けをしてくれます。近年のロング・ストローク仕様はよりクラレンスのような滑らかなベンド・ワークを可能にしています。私が現在使用しているのもこれです。2弦のみならず、3弦も反対側のストラップ・ボタンで操作できるGBベンダーや、アコースティック・ギターにも装着可能なシステムも用意されています。

パーム・タイプ




↑デューゼンバーグのマルチベンダー。2弦と3弦がベンドできます。レバーは増設が可能で、オプションのスプリングを装着すればベンド・アップのみならずベンド・ダウンも可能です。

手のひらで操作するタイプです。古くはビグスビー・パーム・ペダル、そしてヒップショットのパーム・レバー、リチャード・バウデンのEZベンダー、近年ではデューゼンバーグのマルチ・ベンダーが該当します。ハンド・ミュートがしづらいのが難点ですが、複数の弦に対して容易にベンドがかけられ、またショルダー・ストラップ・タイプと比較するとギターへの加工が少なくできる長所もあります。ヒップショット、デューゼンバーグ製品は日本に代理店があるので、お取り寄せになるものの、比較的入手は容易です。

ヒップショット・タイプ




↑元祖ヒップショット。2弦をレバーを腰で操作するベンダー(画像ではレバーが外されています)。このスタンダード・タイプは6弦ドロップ・レバーが標準装備されています。

その名の通りヒップショットが元祖、腰で操作するタイプのベンダーです。ブリッジに加工は必要ですが、ギター本体への加工は必要ありません。比較的気軽に取り付けられるのがメリットです。日本で一番入手が容易なシステムです。パーム・レバーを併用したものもあります。

ペダル・タイプ


ペダル・スティールのように足で操作するタイプです。ギターからワイヤーでペダルを繋げる必要があり、大げさになってしまうのが難点です。

キース・チューナー


番外編ですが、バンジョー用のキース・チューナーもベンダーとして使用可能です。ちなみにクラレンス・ホワイトは1弦と5弦にキース・チューナーを装着していました。

さて取り付けるギターですが、やはりテレキャスター・タイプがベストです。どんなタイプのシステムであってもブリッジ部に加工が必要ですが、3ウェイ・サドルや6ウェイでもバレル・タイプのサドルが乗ったものは比較的加工が容易です。なおサドルの素材は鉄など固い物がベストです。ブラスは摩耗して轍が出来てしまうので、できれば避けた方が良いです。

なお、レスポールなどテレキャスター・タイプ以外のギターに取り付ける場合は、ジーン・パーソンズ、ジョー・グレイザーに相談してみるしかありません。

チャレンジするには色々と困難が多いストリングベンダーですが、ものにできたときの感動はひとしおです。ギターが弾けるからといってストリングベンダーがすぐ弾けるというわけではなく、奥深さは並大抵ではありません。じっくりと取り込むことをお勧めいたします。

さらに詳細を知りたいということであれば、私、白井にお気軽にお問い合わせくださいませ。

またアーレン・ロス、ジェリー・ドナヒューなどストリングベンダーを使わずにベンダー的な演奏をするギタリストもいます。そういったギタリストについては機会を改めて紹介していきたいと思います。

次回は来日するドゥービー・ブラザーズの機材を特集してみたいと思います。ご期待ください。

この記事を書いた人

白井 英一郎
1960年生まれ。勤続30年以上。吉田拓郎に憧れ12歳でギターを始める。スティール・ギター、バンジョー、マンドリン、ウクレレ、三線も演奏するマルチ弦楽器奏者。ウエスト・コースト・ロックとマーティン・ドレッドノート、フェンダー・テレキャスター、リッケンバッカー12弦ギター、ワイゼンボーンをこよなく愛する。ライターとしても活躍中で、伝説のムック「丸ごと一冊ヤマハFG」にも執筆。

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