バンジョー、マンドリン、リゾネーター・ギターのピックアップ

バンジョー マンドリン
前回まで、順番にバンジョーマンドリンリゾネーター・ギターを紹介してきました。今回はこれらの楽器をアンプリファイズするためのピックアップを紹介しましょう。

本格的なブルーグラス・バンドで演奏するのであれば、マイクで拾うのが基本です。実際ブルーグラス・バンドが出演するライブ・ハウスには、十分な本数のマイクが用意されています。また、ブルース・バーでリゾネーター・ギターを使って弾き語りをする場合、おそらく出演者の多くはマイクで拾うでしょう。マイクできちんと音が拾える環境であれば、ピックアップを使用する必要はないはずです。特有の音色、ダイナミクスの表現力はマイクにかないません。

しかしながら、電気楽器や打楽器の入るアンサンブルの中でそういった楽器を使用する場合、マイクだとハウリングが発生しやすく、PAのオペレーションが容易ではありません。そんなとき、ピックアップがあると便利なのです。
実はこの原稿がアップロードされる日に、私はホーン・セクション入り13人編成の大所帯バンドでライブをおこないますが、そこでアコースティック・ギター、エレキ・ギターのほかにバンジョー、マンドリン、リゾネーター・ギターを演奏する予定です。まさにピックアップの恩恵に預かります。

バンジョー・ピックアップ


バンジョーはボディ内部にロッドが通っているため、そこにマグネティック・ピックアップを取り付けるスタイルがポピュラーです。
代表的な物のひとつにフィッシュマンの製品があります。その名もズバリ、バンジョー・ピックアップです。ブリッジの下に小さな鉄板を貼って、その振動をヘッドの下に装着したピックアップで拾います。



↑Fishmanバンジョー用ピックアップ

またEMG ACB-5はエレキ・ギターのピックアップと近い形態をしています。これもヘッドの下に装着します。これらはアクティブなので、ダイレクトにPAに接続することができます。



↑EMG ACB-5バンジョー用ピックアップ

ピエゾ・タイプとしては、L.R.バッグズからブリッジと一体化した製品が登場しました。元のブリッジと交換するだけです。パッシブ・タイプです。



↑L.R.Baggsバンジョー用ピックアップ

なおバンジョーは薄いヘッドを振動させる構造のため、板で構成された弦楽器と比較するとハウリングが起きやすいです。私はヘッドとロッドの間にウレタンのブロックを挟み、ハウリングを起こしにくくしています。

マンドリン・ピックアップ


マンドリンは長らくコンタクト・タイプが一般的でしたが、近年ではフィッシュマンのブリッジにピエゾ・ピックアップを内蔵させたM-300、M-200が人気です。カーペンター・ジャックが付属しており、マンドリン本体に加工をする必要がありません。ただし、マンドリンのトップのアーチに合わせてピックアップを内蔵したブリッジの底面を加工する必要があります。



↑Fishmanマンドリン用ピックアップ(ブリッジと一体化)

コンタクト・タイプにはL.R.バッグズのRadiusなどがあります。こちらもカーペンター・ジャックが装備されています。



↑L.R.Baggsマンドリン・ピックアップ(カーペンター・ジャックの形状も確認できます)

リゾネーター・ギター・ピックアップ


ジェリー・ダグラスが愛用するフィッシュマン製品が人気です。

まず、スパイダー・コーン用の物としては、サドルにピエゾを埋め込んだナッシュヴィル・シリーズ、コーン中心に通る調整ネジに付ける輪っか状のクラシック・シリーズの二種類があります。後者にはパッシブとアクティブの二つのバリエーションがあります。



↑Fishmanナッシュビル・シリーズ・リゾネーター用ピックアップ



↑Fishmanクラシック・シリーズ・リゾネーター用ピックアップ

またビスケット・コーン用のピックアップも用意されています。こちらはブリッジ一体化タイプです。

これらの製品のおかげで、ロックやポップスのバンド・アンサンブルの中でも、容易にバンジョー、マンドリン、リゾネーター・ギターを使用できるようになりました。大変便利です。

この記事を書いた人

白井 英一郎
1960年生まれ。勤続30年以上。吉田拓郎に憧れ12歳でギターを始める。スティール・ギター、バンジョー、マンドリン、ウクレレ、三線も演奏するマルチ弦楽器奏者。ウエスト・コースト・ロックとマーティン・ドレッドノート、フェンダー・テレキャスター、リッケンバッカー12弦ギター、ワイゼンボーンをこよなく愛する。ライターとしても活躍中で、伝説のムック「丸ごと一冊ヤマハFG」にも執筆。

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