【イシバシ三銃士のスーパーギター列伝・アーカイブス】第11回

その他 イシバシ三銃士のスーパーギター列伝・アーカイブス
※この記事はイシバシ楽器メールマガジン2017年3月号「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」からの転載記事です。最新版はイシバシ楽器のメールマガジンにてご覧いただけます。



Q:イシバシ楽器の店員さんは普段どんな音楽を聴いているんですか?

A:色々聴きますが、私は先日この人たちのライブを観に行きました!

イシバシ楽器渋谷店の佐藤です。

春の兆しが見えてきた今日この頃ですが、今回も実際に店頭で皆様から頂く事の多い(時にきわどい)ご質問に率直に回答させて頂きます。

普段は渋谷店アコースティックフロアにいる私ですが、プロフィールに記載させて頂いている通り、プライベートではパンク、ガレージロック、アンビエントはもちろん、ヘヴィロックやブラックメタル、ミクスチャーも愛聴しております。

というわけで(?)、先日2月22日、めでたく公休日だったため、渋谷O-EASTでのPeriphery(ペリフェリー)のライブに参戦してきました!

ここでPeripheryをご存じない方の為に簡単に紹介させて頂きます。
2005年アメリカにて、既にWEB上で多弦ギタリストとして知名度を得ていたミーシャ・マンソーが中心となり結成。
ジャンルとしては、Djent-ジェント-(=プログレッシブ・ロック的な複雑な曲展開や、ダウンチューニングや多弦ギターを駆使した独特な歪んだ/重低音のリフ・ワークを特徴とする、メタル・コア)ながら、楽曲によっては非常にキャッチーなメロディや、透き通るようなクリーン・サウンド/ボイスも混ぜ込まれている点が大きな特徴となっています。
2016年現在、ヴォーカル、ギター3人、ベース、ドラムの6人編成となっており、楽曲によっては3人とも8弦ギターを使用するゴリゴリのトリプル・ギター編成となっています。

当日開演前に会場に到着。O-EAST前は既に入場待ちのファンで溢れていました。
全体的には10~30代の方が多く、着ているTシャツもPeripheryの他、Killswitch EngageやArch Enemy、Animals As Leadersなどなど、如何にもそれっぽいバンドの方が多かったです。

サポート・アクトは福岡出身のPaledusk。
こちらのバンドもDjent的なフレーズを多分に含んだザックザクのメタル・コアで、私自身福岡で長く生活しバンド活動もしていたため、最前列付近のフロアで見知らぬ人と一緒に盛り上がってました!

そして機材の転換やサウンドチェック後、暗転したステージにメンバーが登場。1曲目は「Scarlet」!
SE代わりに特徴的なイントロが流れ歌いだしの「So Many Reasooooooons」は周りのファンは一斉にシンガロング。
私はPaleduskの時同様、最前列付近のモッシュピットが起きていた辺りにいましたが、盛り上がるべき所で激しく盛り上がりつつも、今回フロアのファンのチームワーク(?)が非常に良かったり、雰囲気が温かかったのが印象的でした。
誰かがモッシュピットの最中でメガネやスマートフォン等を落とした場面も数回ありましたが、その度曲間中皆でスマートフォンのライトで足元を照らしながら捜索し、発見したら皆で「Glasses!Yeahhhhhh!!!(メガネあったぞ!イエーーーーイ!!)」と(ボロボロのメガネを掲げながら)ハイタッチするなど(笑)。終始良い雰囲気でした。

さらにステージが後半に差し掛かった所、「今日誕生日のメンバーがいるんだ! みんなで祝おうぜ!」と、ヴォーカルのスペンサー・ソーテロをサプライズでお祝い!
メンバーと客席のファン全員でハッピーバースデーを歌い、ピカ○ュウが刺さったケーキがプレゼントされほっこりしたムードとなる一幕もありました。

私自身Peripheryを初めて生で観たのはScream Out Fest 2014での来日時で、その際は2ndアルバム「Periphery II」からの楽曲中心でしたが、今回は最新アルバムの「Select Difficulty」からの楽曲中心のセットリストで、よりヘヴィかつマッシブな印象でした。

ギタリスト3人はセットリストが後半に進むにつれ6弦→7弦→8弦と持ち替えていきます。
これだけ複雑な楽曲でゴリゴリな重低音を出しながら破綻せず、ライブでもしっかりと「楽曲をドラマチックに聴かせてくれる」点がこのバンドの凄い所です。

ファーストアルバム&セカンドアルバムや、「Clear EP」が好きな私個人としてはもう少し初期の曲や変わった曲(「The Summer Jam」など)も聴きたかった感はありますが、「The Price Is Wrong」や「Make Total Destroy」のようなヘヴィな楽曲と「Marigold」のようなエモーショナルかつメロディアスな楽曲、さらに「The Way The News Goes」のようなクリーンで透き通ったイメージの楽曲と、非常に「動」と「静」のメリハリがきいていました。
今回ベースのアダム・ゲッドグッドが不在だったのが残念でしたが、その影響もあってか曲間のSEも含め一際計算しつくされたセットリストのように感じられました。

注目の機材に関しては、サポート・アクトのPaleduskも含め、Fractal Audio Systems Axe-Fx II(プリアンプ/マルチギタープロセッサ)の使用率の高さが印象的でした。
セッティングによっては従来のように重くコンディションの維持に気を使う真空管入りのアンプ・ヘッドを持ち運ぶ必要が無くなり、作り込んだ高品質なサウンドを瞬時に呼び出せる使い勝手の良い機材として、ツアーを頻繁に行うこの手のジャンルのギタリストの間では定番アイテムとなりつつある機材と言えます。



客席から見る限りではギタリスト3人共足元にはボードやペダル類は配しておらず、ステージ上を所狭しと動き回りプレイしていました。

ギター本体を見ていくと、リーダーであるミーシャ・マンソーは鋭角的なフォルムが特徴のJackson Juggernautの6、7、8弦モデルを使用。
スケールは6弦仕様で25.5inchですが、7弦は26.5inch、8弦は27inchのエクストラ・ロング・スケールとなっており、裏通し仕様のHipshot製ハードテイル・ブリッジと相まって、ダウンチューニング時でも十分なテンションを稼いでいます。
これらの仕様はブランド問わず、所謂Djent御用達のモデルの定番仕様となっていますね。



ジェイク・ボーウェンはIbanezの自身のシグネチャーモデル(色違い・多弦仕様も含むJBM100?)を使用。
メンバーの中で唯一開演前のサウンドチェックや、終演後の機材のバラシをローディー達に混ざって自分で行っていたのが印象的でした・・・
単純にいい人なのか、それとも「自分の機材は人に触らせず自分でいじって片付けたい!」タイプの人なのかは不明ですが・・・。



マーク・ホルコムはScream Out Fest 2014時はMusicmanのJPやMayonesを使用していましたが、今回は全てエンドース契約したPRSを使用。
こちらも6弦→7弦→8弦とセットリストが進むにつれ持ち替えていました。

マーク・ホルコムのUSA製のシグネチャー・モデルは過去2015年に限定生産されたのみなのですが、現在、その仕様を受け継ぐ形で、コストパフォーマンスに定評のあるPRS SEブランドからシグネチャー・モデルがリリースされています。

こちらのモデルがSEの中では異色のスペックと言える気合の入った仕様となっており、本人が好みステージで使用する実機同様、25.5 inchスケール/サテンフィニッシュのネック、明瞭なクリーントーンから暴力的なディストーション・サウンドまで出力可能なSeymour Duncan Alpha / Omegaピックアップ(コイルタップ・スイッチも搭載)、ダウンチューニング時にもタイトでマッシブなサウンドを出すための裏通し仕様のハードテイル・ブリッジなど、お手頃な価格ながら超・実戦的なチューンナップが施されています。
出荷時の標準セットアップに関しても6弦からC,G,C,F,A,D(1音下げ+ドロップC)となっており、Peripheryの6弦使用曲と同様のチューニングで最初からセットアップされているという気合の入りっぷりです。



10年前であればともすれば異端/キワモノとされていたDjentですが、現在はヘヴィメタルのメインストリームの一翼となった感もあり、そこで起用される楽器は、現代のヘヴィメタル・シーンの最先端のトレンドを捉えたギアと言えます。
今後もその音楽シーンと合わせ、楽器がどのように進化していくのか、ますます目が離せませんね。

大いなるギターワールドの旅に出かけよう!

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