5分で分かる!新旧スティングレイを徹底比較!

先日大幅な仕様変更を行ったErnie Ball/Musicmanの看板モデル・StingRay。
世界的ファンクロックバンドからプログレッシブロックの大御所、はては先進のへヴィロックやダンスミュージックまで、ジャンルを超えて選ばれ続けてきた定番ベースのどこがどれだけ進化したのか?
新旧StingRayを並べて比較してみました!
(※比較写真はブラックカラーが旧モデル[STINGRAY 4 2EQ]、ナチュラルカラーが新モデル[STINGRAY Special 4 3EQ]となっています)

Body Shape

旧モデルはフェンダーの流れを汲む伝統的なエルボーカットを採用していました。
1976年にデビューしたモデルにもかかわらず、今なお古さを感じさせない美しいシェイプを演出しています。
新モデルではよりなだらかな角度で仕上げられており、これまでのエルボーカットと比べても違和感がなく自然と腕にフィットする形状です。
今回のリファインを象徴する見た目に分かりやすくデザイン面でも重要な箇所と言えます。

Bridge

ブリッジ駒の素材は両モデルともスチール製、形状は円筒型となっていますが、新モデルでは80年代のStingRayで用いられていた円筒の内部をくり抜いた中空円筒型に回帰しています。

旧モデルでブリッジ駒を固定していた左右のスタッドは新モデルでは廃され、ブリッジプレート自体が小型化。
すっきりコンパクトにまとめられており、ブリッジ駒の中空加工も相まってブリッジ周りは軽量化が進められた形になっています。
アンプを通さない状態の生鳴りの違いはブリッジ周りの仕様変更による影響が大きいのかも知れません。

Pickups

旧モデルではアルニコマグネットを使用した伝統的なハムバッカーピックアップ。
ポールピースは各弦に応じて高さを予め変えてあるスタッガードタイプで、アルニコマグネット由来のピーキーな高域はStingRayのキャラクターとして広く知られているところかと思います。
新モデルではネオジウムマグネットを使用したハムバッカーを搭載。
クセが少なく、幅広いレンジへの対応力を持ったハイパワーなピックアップで、ポールピースもフラット化されており、18V駆動でヘッドルームが広くなったアクティブプリアンプを最大限に活かせるデザインとなっています。

Battery

旧モデルでは9V駆動だったアクティブプリアンプも新モデルでは18Vで駆動となり、より大きな入力信号を受け止め、濁りなく強い出力信号で送り出すことが可能になりました。
従来は9Vバッテリー1本を収納するバッテリーボックスがちょうどコントロールパネルの裏側付近に配置されていましたが、新モデルでは9Vバッテリー2本を収納するため、バッテリーボックスはブリッジ裏付近に移設されています。

Fret&Joint

フレット数は旧モデルの21フレットから、22フレット仕様へと増加。
単純に半音増えることによる演奏スタイルの自由度、指弾き時の親指の置き位置、そしてスラップ時のプレイ感覚にも影響はあるため、たかが1フレット分とはいえ見逃せない変更点です。

またネックジョイント部は、旧モデルでの6点留めボルトオンジョイントから、5点留めボルトオンジョイントに変更。
ジョイントプレートは小型化され、ヒール部分も滑らかに処理されており、ハイポジションでの演奏性がグッと快適になりました。

Neck

ネックは旧モデルのマットフィニッシュのメイプルネックから、ローステッド加工が施されたメイプルネックに変更されました。
ローステッド加工は、真空状態で高温度熱処理を施すことで木材の強度を飛躍的に向上させる技術で、近年ハイエンドなギター・ベースブランドで多く用いられている手法です。
ミュージックマン特有の手触りが良いマット仕上げの感触は新モデルでもそのままです。

Peg

往年のフェンダーと同タイプのオーソドックスな旧モデルのマシンヘッドから、新モデルではペグデザインを一新。
ペグ自体の小型軽量化を進め、ペグボタンはグリップしやすいシャーラータイプの厚みのある物となっており、サイド部分のスクリューによりトルク調整が可能になっています。
ヘッド表面から固定する六角ナットも追加され、ペグポストのガタつきや緩み、振動ロスへの対策は万全。
ヘッド部分の全体重量が軽くなったことでボディとの重量バランスが良くなり、ヘッド落ちの懸念がないのも嬉しいポイントですね。

Impressions

旧モデルはトーンキャラクターのピーキーな部分や1PU+2EQというコントロールの制限も含めて、あくまでオーセンティックなスティングレイサウンドを追求したい方向けとなっており、新モデルの登場以降はStingRay Classicシリーズとして販売されていく見通しです。
新モデルは40年を超えるモデルイヤーの中で変化してきた演奏スタイルやアンプ、エフェクターなど、エレキベースという楽器を取り巻く環境とも上手く噛み合うようにバランス感覚を身に着けたスティングレイといった感じでしょうか。
これまでスティングレイが合わないと感じていたプレーヤーの方も、先ずは新モデルをお試しいただき、改めてスティングレイという個性溢れる楽器と向き合っていただければと思います。

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