春の嵐に真っ向勝負!轟音ノイズエフェクター特集!

レアなアレがしれっとリイシュー。 DOD / GONKULATOR RINGMOD

90年代中期という音楽シーン混迷の時代に登場したリングモジュレーターペダル「DOD FX13 Gonkulator/Modulator」。
IncubusのMike EinzigerやL’Arc~en~CielのKen氏など、往時からマニアックなノイズメイクを追求していたギタリストには使われながらも時代の先を行き過ぎた不遇のペダルを現代的なニーズに合わせて再デザインしたリイシューモデルです。
オリジナルモデルでは悪名高い(?)DOD FX69 GRUNGEの歪み回路を流用した上にコントロールツマミの数も4つと限られていた為、音作りの自由度はあってないようなものでしたが、リイシュー版ではコントロールを5つに分化し、より洗練された質感の歪みも相まって、硬質な金属的ノイズから破壊的なディストーションまで際立った音作りが可能です。
 

いささかマイルドな狂気。 WMD / Geiger Counter Civilian Isuue

筺体デザインといいネーミングセンスといい、色々危ういWMDの代表機種・ガイガーカウンターにある程度常識的な振る舞いを学習させたらしい一台。
32パターンのプリセットから好みのトーンを選んで、ツマミでエディットしていくというノイズ初心者にも優しい設計です。
割と普通の歪みエフェクターのようなオーバードライブトーンから、音がひしゃげて捻じ切れそうなビットクラッシャーまで、一台で幅広くカバーしてくれるので「ただのノイズ用ペダルに3万円弱はちょっと…」という理知的な方にもオススメ。
唯一無二のサウンドを生み出しながらも、その再現性の低さ故に音楽的な領分を逸脱してしまう無法っぷりでディープなマニア向けと見做さざるを得なかったオリジナルのガイガーカウンターに比べると、確かに扱いやすく、充分に音楽的と言える仕上がりです。
 

ギターでEDMしてみる? Dwarfcraft Devices / Gears

エフェクター好きにはお馴染みの変態系メーカー・ドワーフクラフトデヴァイスのオーバードライブ+オクターバー+ウェーブオシレーター+フィルターの複合ペダル。
アナログシンセめいた分厚いベースリードやキレの良いゲートを活かしたグリッチサウンドなど、とてもギターから出ているとは思えないトーンが次々飛び出します。
リズムボックスやシンセ、ヴォーカルなどにかけてみても面白いので、グループの中に一台あるとフレキシブルなノイズメイクが楽しめそうです。
コレがあればギターの居場所があんまりない(ような気がする)EDMシーンに切り込んでいけるかも?
 

レアなコレもさらっとリイシュー。 DOD / Meatbox Sub Synth

90年代中期のDODの迷器・FX32 MeatBoxもリイシューされていたんです。
35Hz付近を強烈にブーストし膨張させた低音域でシンセサイザーのサブオシレーター的な効果をもたらすMeatBoxですが、当時は使い道の想像がつかなかったのか、超低域を充分に再生できるような容量に余裕のあるキャビネットが少なかったのか、はたまたお肉めいたカラーリングの筺体にハエがプリントされたクリアステッカーを貼り付けるという趣味が良いとは言えないデザインがダメだったのか。
FX13 Gonkulator/Modulatorほどではないにせよ、短命なキワモノペダルとして歴史の中に埋もれ、中古エフェクター市場ではかなりの高値を付けていました。
今回のリイシューモデルでは具体的な使用方法である「Sub Synth」を筺体表面にも記載し、何に使えばいいかわからないという問題(?)への対処は完璧です。
実際使うとどんな音になるかの想像がつかない方はDAWソフトなどのイコライザーでQを絞って30Hzあたりを徹底的に持ち上げてみると良いかも知れません。
あとはその音が自分の後ろのアンプから飛び出してくる所を思い浮かべてみて下さい。
未曾有の音圧の中でプレイしたい方にはぜひ使って頂きたい一台です。
 

掛け算のカオス発生器。 electro-harmonix / Superego Synth Engine

弾いた音を瞬間的にサンプリングし無限のサステインを生成するエフェクター。
内蔵のエフェクトループを使用してSuperegoのエフェクト音に更に別のエフェクターを掛ける事もできます。
リバーブやディレイ、オクターバーなどと組み合わせるとよりギター離れした浮遊感のある空間演出が楽しめます。
単体で不可解なノイズを生み出すというよりは、基になる音色と重ねていくフレーズによって混然とした音像を作り出す、ノイズメイカーとしても極めて特殊な個性を持った一台です。
 

…いかがでしたでしょうか?

一聴して耳触りの良いハイファイなサウンドが手軽に出せる時代だからこそ、演奏者の個性やリアルな存在感をアピールできるノイズトーンも重要性を増してきます。
他の人には絶対出せない自分だけのノイズサウンドを追求してみて下さい!

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