セミオートマチックワーミーの実力やいかに? Digitech Ricochet(とWhammy 5を並べて)弾いてみた。

先月8月末にリリースされた「ペダルレスのワーミー」ことDigitech Ricochet

ピッチベンドレンジと仮想ペダルの踏み戻しの早さをツマミでコントロールできるという他に類を見ない個性的な一台です。

今回はそんなセミオートマチックワーミーの可能性を、さまざまなセッティングで探ってみました!


ピッチの精度の面では非常に安定しており、単純な飛び道具としてだけでなく、モーメンタリースイッチを活かしたリフやストリングベンダーの代用、音程を上がる方向だけでなく下げる方向にも使えるデジタルなカポタストといった感覚でも使えます。

コードリフはもちろんのこと、ピッキングハーモニクスを絡めたフレーズでも問題なくトラッキングでき、レイテンシーもほぼ気にならないレベルでしょう。

実際にギター側でチューニングを変える場合、普段とは異なるゲージの弦を張ることによる左手の感覚の違いや、弦のテンション感を意識したピッキング、オクターブチューニングの調整、ルーズになりがちな低音域を引き締める音作りなど、奏法やセッティングの面で気を使う部分も多いですが、その辺りの細かいところを気にせずにさまざまなKEYでの演奏を楽しめるのは和音対応となった第5世代以降のワーミーの特権です。

こういったデジタルエフェクターで最も気になる音痩せに関しては、バッファードバイパスの状態で使用しても極端なハイ落ち感やボトムエンドの削れは敢えて取り沙汰されない限り気にならないレベルに仕上がっていると思います。

動画の後半では第5世代のワーミー・Whammy 5と比べたら実際どうなのか、ピッチベンドを絡めたフレーズをそれぞれの操作で弾き比べてみました。

Whammy 5で2Octなど幅の広いベンドレンジを設定した場合、ペダルを3割程度踏み込んだ段階でも既に1オクターブほど音程が変わってしまう為、厳密に聴いていくと経過音の変化がやや急激な印象にもなりますが、Ricochetの場合は経過音の移行が比較的スムーズで滑らかな印象でした。

反面Whammy 5ではワーミーの半止め(!)のようなマニアックな操作も楽しめるので、1Octのセッティングで5度音の位置でズバっと止められるようなハードコアなワーミー使いの方には、Ricochetではやや物足りないところがあるかも知れません。

さながらセミオートマ車とマニュアル車の比較のような結果となりましたが、速いフレージングでも安定してピッチベンドを決められるのがRicochetの利点です。

一方でWhammy 5には音が揺れない、ウネらないコーラス効果として一部の方から熱狂的な支持を得ている「Detune」モードが選べるというフルサイズのワーミーならではの利点もありますので、2台持ちでシチュエーションに応じて使い分けるというのが理想的ですね。

これまでのワーミーの常識を塗り替える新型ワーミー・Ricochet、ぜひペダルボードに組み込んで新しいサウンドを追究してみてください!

 

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