【Vintage File】#6 Martin 1969年製 D-18 ~玄人好みの銘器~

【Vintage File】第6回、前回に続いてMartinの紹介です。
前回紹介させて頂いたのは1974年製のD-35でしたが、今回取り上げるのは1969年製のD-18。5年先輩にあたる個体ですね。

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こちらも丁度修理が完了して渋谷店に入荷したばかりの個体です。
これから細部のクリーニング後に展示致しますが、各所を見てみましょう。

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スプルーストップ、マホガニーサイド&バックのドレッドノート・ボディ。
D-28やD-35と比較すると、バインディングが黒色であったり、指板やブリッジがローズウッド(ハカランダ)であったりと、全体的に引き締まったマッシブな印象の強いルックスです。無骨ながら味わい深い雰囲気を漂わせた60’sヴィンテージ・ギアですね。

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前回のD-35と同様の所謂「ミルクボトル」タイプのグローバー・ロトマチックペグですが、”Patent Pend”=特許出願中の刻印入りの時期のものです。
ヘッドの形状は60年代前期や中期と比較するとやや角ばってきた時期のものですが、それでも70年代以降のものと比較すると、全体的に丸みを帯びた形状となっています。

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1969年製、使用材がブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)からインディアン・ローズウッドに切り替わるぎりぎりのタイミングで作られた個体ですが、本器は丁度ハカランダ最終期にあたる個体で、指板、ブリッジ共に見事な木目です。ボディトップにはうっすらとベアクロウが出ており、飴色に変色し見る角度によって表情が変わる趣深いルックスです。

内部も見てみましょう。

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全体的には前回のD-35と同様のノンスキャロップXブレーシングですが、トーンバーの削りこみの開始場所や、エンドブロックの補強材等、細部の形状は異なっているのが見て取れます。全体的にはD-18の方が強固に作ってある印象で、サウンドに影響を与えている事が伺えます。ネックブロックの形状も良く見ると違いますね。

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参考までに、こちらが前回の’74年製 D-35の内部です。

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ケースはノンオリジナルですが、70年代後期~80年代にかけて採用されていた通称ブラック・ケースです。

駆け足で見ていきましたが、如何でしたでしょうか?
過去の歴史上はD-28やD-35と比べると格下に見られてしまう事も多かったD-18ですが、長年熟成されたマホガニーならではのウォームかつ抜けの良いトーンはMartinの他のモデルでは味わえない魅力です。バンドアンサンブルの中でも音抜けが良く、かつボーカルを潰さず曲を支えてくれるため、がんがん弾くタイプのプレイヤー層からの支持も厚いモデルです。

2012年のモデルチェンジ以降、最新スペックのD-18は、所謂プリウォー・ヴィンテージスタイルとモダンスペックのハイブリッド仕様となっていますが、ウッディかつ抜けの良いこの時期のD-18の魅力もやはり捨てがたいですね。ヴィンテージならではの味わい深さと、プレイヤーズ・ギアとしての実力を兼ね揃えた銘器と言えます。

次回の【Vintage File】も、お楽しみに!

>>過去の【Vintage File】など、その他ヴィンテージ関連の記事はこちらをご覧ください。

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