世にも珍しい?Vintage Fretless P-Bassを解体しちゃいました!!

いつもご利用頂きありがとうございます。
名古屋栄店のタク・オカモトでございます。

10月も中盤を過ぎめっきり寒くなって参りました。
少し前まで暑いなーと思っていたのにいつのまにか冬ですね・・・。
これから乾燥がひどくなる季節ですので、冬本番前に楽器のコンディションを確認してみてはいかがでしょうか。

さて、今回は当店在庫のVintage Fender Bassを取り上げたいと思います。
Vintageとはいえ、普通のベースじゃ面白くないなー・・・と思っていたところにいました!!こちら!!

Fender USA / 1975年製 Precision Bass Fretless Natural 商品ページはこちら

Ash Body&Maple指板の1975年製プレべ!!のフレットレス仕様でございます。
The PoliceのStingがこの仕様のベースを使っていたかと思いますが、
Fretlessというと60’sスタイルのJBが一般的でしょうか。70’sのP-bassはなかなか見ないですよね。

今回こちらのベースをチェックしていきます!!

Body


(クリックでより鮮明な画像をご覧いただけます。)
ピックガードは75年途中から採用となった3Plyブラック
また、本来フィンガーレストが4弦側に装着されているのですが、この個体は取り外されています。
ネックジョイントは4点止め、プレート部には74年から採用されたクッションが装着されています。
ちなみにJazz Bassに3点止めジョイントが採用されたのは75年ですね。
Body材のAshですが、Backのエンドピン周辺を見ていただくと木目がつながっており、1Piece材が使用されているのがわかりますね。贅沢・・・。

ピックガードを外していきましょう・・・。

おおー、丸見えです。
この年代からコントロールキャビティーとピックアップキャビティーが貫通しており、ワイヤーを通しやすくなっています。
製造工程の効率化を狙ったものですね。


ブリッジ下にはアース用の穴があり、先ほどのコントロールキャビティーへと通じています。


こちらはピックアップ。
裏側にアース用の金属プレートが引かれています。
元々のスポンジがPUに固着しており、剥がしてDATEを見るというのが難しい状態でしたが、なんとか下2ケタが75というのは確認できました。
スポンジですが、当店入荷後に新しいものを入れておりますので、問題なく高さ調整していただけます。

POT類もVol Pot Date:137-7521,Tone Pot Date:137-7536と75年製を示しています。
コンデンサはZ5V .05M 100V表記のセラミックコンデンサ。こちらもこの時期に見られるものですね。

Neck


さておまちかねのネックです!!
といいつつエンド部分でスイマセン・・・。
もうこの部分だけでバーズアイが出ているのがわかりますね・・・。
検査印とチェックした方の名前がスタンプされています。「J.TORRES」と読めます。
この時期の楽器でよく見られる名前ですね。
よくみるとスカンクラインの下にもスタンプされています、
「VILLANUEDA」と書かれているようですが・・・かなり薄くなっておりほぼ読めない状態です。


ネックポケットです。
「A.GRADILLAS」とスタンプがありますね。
コントロールキャビティーでもわかりますが、ネックポケットのエンド左右にくぼみがないためNCルーター導入前(77年以前)のボディーと判別することができます。


ネックエンドです。
なぜか油性ペンのようなもので大きく9と書かれています。ブラックライトで元の文字が浮かび上がらないか確認してみましたが・・・残念。

74年以降の8ケタのネックコードは左から
・モデル名→「01」はプレシジョンベース
・ネックの仕様→読めず。本来メイプルネック、フレットレスは「10」と表記される
・何週目の生産か→「44」週目
・西暦の1桁目→「5」=1975年
・曜日→読めず。

となっていますので、
ペンで上書きされた部分も含めて解読すると、元々は0110-445Xだったのではと思われます。
これでネックからも75年製であることが確認できました。
なかなか珍しい仕様の個体ですが、大きな改造や主要パーツの交換歴がないことがわかりました。

(ナットはブラスに交換されています。)

いやー美しいですね!!
せっかくですのでネックだけフューチャーした写真を撮ってみました。

はっきりとバーズアイが確認でき、非常に美しい印象をうけます。
このネックだけでも欲しくなってしまいますね笑

ちなみに、当機はフレットラインがない仕様ですが、サイドポジションがフレットラインの位置に打たれていますので、
慣れてしまえばそれほど問題にはならないのではないでしょうか。

いかがだったでしょうか。

いきなり変わり種のご紹介となりましたが、今回の記事をご覧頂いて「こんな楽器もあるんだ!」と興味を持って頂ける方が増えると何よりです。
また、今回のようなVintage楽器についても買取りを行っておりますので、お気軽にイシバシ楽器各店にお問合せ頂ければと思います。

それでは!!

シェアする