【Vintage File in Harvest_Guitars】1951 Gibson L-7 Blonde
イシバシ楽器御茶ノ水本店HARVEST_GUITARSの納富と申します。
長い冬が去り、すっかり春の過ごしやすい陽気になりましたね。
4月に入り、新学期、新生活を迎えるかたも多いのではないでしょうか。
さて、今回ご紹介するのはこちら!
『1951年製ギブソン L-7 Blonde』です。
現在のギブソン モンタナ アコースティックにおいて、Lシリーズはフラットトップが当たり前のようになっていますが、このフラットトップが誕生する前は”アーチトップギター”が主流でした。
ロバート・ジョンソンの使用で有名なギブソン L-1は1900年代初頭に小ぶりなアーチトップとして誕生していました。後に1926年にフラットトップギターとして再登場します。
当時は12-1/2″、13-1/2″といった小ぶりなアーチトップギターが主流で、16″WIDEのアーチトップL-4が1912年に誕生し、最高峰のL-5は1922年に誕生します。
今回ご紹介するL-7は1932-33年ごろ16″WIDEのアーチトップギターとして誕生し、1935年には他モデルと同じく17″WIDEの大柄のBODYとなります。
JAZZなどのビッグバンドが台頭していた当時は、管楽器など生で大音量を奏でる楽器に負けじとギターが音量を稼げるようにBODYを大きくしていったのは自然な成り行きだったのでしょう。
エレクトリックであれば、ビッグバンドで音量で困ることもなかっただろうに・・・”試行錯誤”というのはいつの時代でも新しいものを生み出していくわけですね♪
さて、時代の背景はこのぐらいにして、せっかくなのでいろいろな部位を見ていきましょう。
アーチTOPといえど、アーチ状になっているのはTOPだけでなくBACKもアーチ状になっています。
スプルースTOP、メイプルSIDE/BACKで、SIDEのフィギャドがとても綺麗に出ています。
TOPは通常のアコースティックギターに良く用いられるXブレーシングではなく、パラレルブレーシングです。ちなみにBACKにはブレーシングは施されていません。
※1935年からXブレーシングが採用され、1939年頃にパラレルブレーシングへと仕様変更されます。
また、アーチトップは単板削りだしか、ラミネートかというのも注目されるところですが、こちらは下記の画像でも分かるように、単板削りだしとなっています。
そして、やはり気になるのはNECKジョイント部でしょう。左がL-7、右がJ-45です。
全く違うのですが、一番違うところは、指板がBODY TOPについているか、そうでないかが大きいですね~。
アーチトップは指板の下が接ぎ木になっているので、指板/NECKからBODYへの伝導はフラットップのほうに軍配があがりそうですが、アーチトップのキャラクターはフラットトップには出せないので、一概に良い悪いというわけではないですね。
NECKは3ピース構造となっています。NECKにもきれいなフレームが表れています。そして、指板はハカランダ。
アーチトップにはアーチトップにしか出せないサウンドがあり、それがキャラクターにもなっています。
バキっとしたサウンドが非常に特徴的で、Vintageならではのリバーブ感、立体感も感じられる1本です。
是非HARVEST_GUITARS店頭でお試しいただきたい1本です!