フロリダのペダルメーカー、Interstellar Audio Machinesのドライブペダル3機種が入荷しました!

スタジオセッションやツアーの現場を知り尽くしたプロミュージシャン・Eric BiceとSam Hindmarshのコンビが手掛ける、フロリダ発のハイクオリティなペダルメーカー・Interstellar Audio Machines。

今回はオーバードライブペダル1機種とファズペダル2機種を、実測したデータも交えながらご紹介します。

Octonaut Hyperdriveは、KLON Centaurを手本にIAM流のアレンジを加えたオーバードライブペダルです。

ゲルマニウムダイオードやチャージポンプ回路、2軸式ポットを用いたDriveコントロールでのクリーンミックスなど、KLON Centaurの重点となるポイントは完璧に押さえており、Centaurの後継機・KTR同様のバッファー回路のON/OFF切り替えも筐体内部に搭載されています。(※工場出荷時の設定ではバッファーOFFとなっています)。

VOLツマミは9:00位置付近、TONとDRVが全閉でほぼバイパスと同程度のアウトプットレベルになりますが、2kHz付近がブーストされ、8kHz以上がカットされて、自然なハリと滑らかさがあるトーンになります。

TON12時位置では750Hz付近から上の帯域が盛り上がり、全開状態となると500Hz付近から上の帯域が全体的に持ち上がります。

また、VOLとDRVを全く操作しない状態でTONを上げていくだけでもアウトプットレベルが上がっていきます。

VOLが9:00位置、TONが10:00位置でDRVのみを全閉、12時位置、全開にしてみました。

緩めのコンプレッションが掛かると同時に、500Hz付近と6kHZ付近がなだらかに持ち上がり、ピッキングのアタックやバイト感を失うことなく必要なだけゲインブーストできます。

オリジナルのKLON Centaurはおいそれとは手が出せない価格になって久しいですが、その直系たるKTRも入手が難しい現在、KLON系ペダルの新たな選択肢として自信を持ってオススメできる逸品です。

Fuzzsquatch Fuzzdriveは、エフェクターファンなら必ず通るであろう定番中の定番のひとつであるElectro Harmonix Big Muff Pi、その70年代後期型仕様=Tone Bypassスイッチ付きモデルを再現したファズペダルです。

TONツマミの効き幅は非常に広く、750Hzあたりを中心としたティルトEQのような掛かり方になっています。

TONを下げると120-250Hz付近がブーストされ、1kHz以上は大きくカットされたウーリーなサウンドになり、TONを上げると250Hz以下をカットし500Hz以上をブーストしたジャリジャリのファズトーンに変化していきます。

また、TONを上げていくと全体のアウトプットレベルも上がっていきます。

Tone Bypass機能はオリジナルのBig Muffでは筐体上に配置されていたスライドスイッチではなく、筐体表面に配置されたフリップスイッチで切り替えます。

Tone Bypass時のサウンドはTON12時位置ではなく、TON10時位置程度のややハイ下がりのトーンに近い印象でしたが、オリジナルのBig Muff Piと違いアウトプットレベルのドロップは少なく抑えられています。

SUSツマミは歪み量やアタック感は大きく変えずにサステインだけが伸びていく感触があり、サンタナやギルモア的な滑らかなロングトーンリードも楽しめます。

貴重なヴィンテージのBig Muff Piを持ち出して使うのは耐久面でもペダル自体のサイズ面でもなかなか気が引けるとかと思いますが、Fuzzsquatch Fuzzdriveならあの特徴的なビッグマフの音はそのまま、耐久性とサイズは現代仕様で実戦でもガシガシ使っていけます。

Marsling Octafuzzdriveは70年代に生産されたFOXX Tonemachineのサウンドをリメイクしたオクターブファズペダルです。

右側のフットスイッチはエフェクトのオンオフ、左側のフットスイッチはオクターブ回路のオンオフ切り替えとなっています。

MIDRANGEスイッチは2種類から選択でき、上側にすると中低域が強調された飽和感のあるファットなサウンド、下側にすると750Hzあたりをザックリとスクープしたドンシャリサウンドになります。

Marsling OctafuzzdriveもFuzzsquatch Fuzzdriveと同様にTONはティルトEQタイプとなっており、反時計回り方向に回すと低域がブーストされて高域が抑えられ、時計回り方向に回すと高域をブースト、低域が抑えられる形になります。

MIDRANGEスイッチが上側の状態でTONを動かしていくとバランスが崩れにくいように見えます。

ツマミはすべて12時位置の設定で、左側がオクターブスイッチオン、右側がオクターブスイッチオフの状態です。

オクターブスイッチを入れると1kHz以下が若干カットされて、1.5kHz以上が持ち上がり、オクターブ成分がしっかりと際立つ形になっています。

MIDRANGEスイッチとオクターブスイッチのコンビネーションによって、ただでさえ分厚いFOXX系のサウンドから更に迫力を増し、荒々しく派手にしたオクターブファズトーンを生み出せます。

FOXX Tone Machineについては開発者自らが手掛けた現代版リイシューの DANELECTRO TF-1 3699 fUZZもありますが、あちらとは少し異なる視点から手を入れたTone Machineの進化版として、オクターブファズフリークなら見逃せないペダルに仕上がっています。


奇抜なパネルイラストが目を引くInterstellar Audio Machinesの製品ですが、サウンドはまさしく本格派。

この価格帯の製品だけに、ファズペダルであってもあくまで音楽的なノイズ以外は出さないような完璧に近いノイズ処理が施されています。

どういじっても絶対に「使える音」になってくれる安定感バツグンのペダル揃いですので、ぜひ足元に備えていただければと思います。

Interstellar Audio Machines / Octonaut Hyperdrive インターステラー・オーディオ・マシーンズ クリーンブースター

Interstellar Audio Machines / Fuzzsquatch Fuzzdrive インターステラー・オーディオ・マシーンズ ファズ

Interstellar Audio Machines / Marsling Octafuzzdrivee オクターブファズ

シェアする