American Sound History 第二弾 「FENDER JAZZBASS 1972年製」

帰ってきたAmerican Sound History!!復帰第二弾は「FENDER JAZZBASS 1972年製」をご紹介いたします。
40年前どのような制作方法であったのか分解写真つきで解説していきます。

1968年よりアンダーコートに透明なポリエステル系塗料が使用され、ボディトップコートにはラッカーを使用しているため、経年変化により使用感のある部分のラッカーが剥がれ、下地のポリウレタンが見えています。これは40年かけてできた自然なレリックです。

ネックはポリエステル系の塗料ですが、ヘッドの表面のみラッカーを使用しているため表面が経年変化で焼けています。

グレーボビンにスタンプが押されているスタイルで1968年頃からの方式です。スタンプされている1112は、最初の「1」が製作担当者、もしくは、ワイヤリング機械ナンバー、「11」はその年の11週目、最後の「2」は西暦年数の最後の一桁1972年を意味します。

ピックアップは互いに逆磁極にしてあり、フロントコイルは右巻き、リアコイルは左巻きと、互いに逆巻きにしてあり、両ピックアップを同時に使用した際にハム・ノイズがキャンセルされるようになっています。

1969年後期より新しいボディデザインになり、リアピックアップの取り付け位置が10.2ミリブリッジ方向に移動しています。また、ピックアップのピッチもリアピックアップの方が広くなっています。
ちなみに、どちらかのボディデザインかを確かめる秘伝の方法があります。両ピックアップの間に人差し指から小指までをかざし、その間隔がスリーフィンガーなら60年代スタイル、フォーフィンガーなら70年代スタイルのボディとなります。

1968年より採用された腐食に強いステンレスサドル。イモネジとスプリングネジは腐食により交換されています。オクターブ調整ネジは1969年頃からブリッジプレートの位置がエンド方向に下がり、1弦用サドルだけが約47.6ミリの長いネジが使用されました。2~4弦用は約38ミリとなっています。

1968年途中から使用されるフェンダー・オリジナル・デザインのベース用ペグはニッケルメッキで、1972年頃まではFenderのロゴの右上にレジスターマークがありません。

ピックガードはべっ甲模様の4プライ(べっ甲柄/白/黒/白)で、1969年頃よりボディトップの塗装が固着しないように一番下の白い層がつや消し加工になっています。

アッセンブリーのPOTDATEは304-7116で「304」はスタック・ポール社製を意味し、「7116」は71年の16週目を意味します。コンデンサーは71年中期から72年前期にかけては銀色のITW(Illinois Tool Works)製の0.022μファラッドのフィルムコンデンサーが使用されています。

コントロール・キャビティ底面にはブラス・シールドにアース線がハンダされています。

オ~アメリカン!

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