ペダルレスのワーミー!? Digitechの最も小さなWhammy「Ricochet」発売開始です!!
1989年に登場した初代のWH-1から第5世代となるWH-5までダイナミックなピッチベンド効果で人気のWhammyシリーズに、歴代最小サイズの「Whammy Ricochet」が登場しました!
このRicochet、一見して分かるとおりワーミーエフェクターにも拘わらず「ペダル」がついておりません。
それではどのようにワー↓ミー↑するのかというと、PITCHツマミとRANGEスイッチでピッチベンドの幅を決めて、設定されたピッチまでの上昇/下降速度を「BALLISTICS」コントロールで調整し、フットスイッチを踏むことでワーミー効果を半自動で得られる、という何とも不思議な感じです。
BALLISTICSは2軸式のスタックポットが使われており、外側が「Return」、内側が「SHIFT」となっています。
コントロールペダルつきワーミーであれば「ゆっくり踏み込んで急に戻す」であるとか「ガバっと踏み込んでサッと戻す」という操作を予め設定しておくワケですね。
この辺りのセッティングはただ感覚だけに頼って行うのはなかなか大変そうですが、筐体左側に並んだ「TRAJECTORY」LEDでBALLISTICSで設定したピッチの上昇/下降速度を視認できるので、じっくりとセッティングを詰められます。
PITCHレンジは2度、4度、5度、7度、1オクターブ、2オクターブに加え、1オクターブ+ドライ音の設定もできます。
2Oct DownでSHIFTを長めにすればいわゆるDive Bombエフェクトもかんたんに作れますし、SHIFTとRETURNを遅めにして2度/5度upで使うとアナログシンセで作ったSEのようなサウンドも得られます。
工場出荷時の設定では和音にも追従する「Chord」モードですが、MOMENTARYスイッチがOFFの状態でフットスイッチを長押ししながらRANGEスイッチを下にすることで単音での使用に特化した「Classic」モードに切り替えることができます。
主にリードソロでしか使わない、もしくはベースを挿して使いたい、という場合はClassicモードを選択するとよりピッチの安定性が増した状態で使えるでしょう。
またClassicモードで和音を入力すると、リングモジュレーターのようなウネリが生まれる旧き良きオクターブエフェクターとしての効果も楽しめます。
Chordモードで使用する場合、サンプルレートが半分の22kHzとなり、併せてFR(フリケンシーレスポンス)も若干下がる為、先発のピッチダウン専門モデルであるDROPと比較するとクリアさの面ではやや劣る部分もありますが、ちょっとハイ落ちしたトーンもまた、ワーミーらしい絶妙の音痩せ(笑)と言えるのではないでしょうか。
MOMENTARYスイッチがONの状態では内部のバッファー回路を通ったバッファードバイパスになり、Ricochetらしさを生かした瞬間的な踏み込みでも段付き感が少なく使えますが、どうしても微妙な音質の変化が気になる場合にはMOMENTARYスイッチをOFFにしておくことでトゥルーバイパスを選択することもできます。
ワイドレンジなグリッサンドでピッチをコントロールするエフェクターとしてはBOSS PS-6やElectro Harmonix Pitch Forkなどがありましたが、やはり本家本元のWhammyサウンドを得られるのはRicochetだけ。
既存のワーミーペダルではデザイン上どうしてもエフェクターボードでのスペースを大きく取ってしまいます(開き直って多機能肥大化を極めたWhammy DTなんてモデルもありますね…)が、Ricochetなら半分以下のスペースでほぼ同様の効果を得ることができます。
即興的な用途で多く用いるならばペダルつきワーミー、楽曲の中で予めワーミーを掛けるポイントやベンドレンジを押さえた決め打ち的な使い方をするならばRicochetという棲み分けでお選び頂くとよろしいかと思います!