【Fender】エレキギター現行シリーズを徹底解説!
ギタリストの皆様、平素よりお世話になっております。イシバシ楽器 御茶ノ水本店
フェンダーフロア 担当の東ヶ﨑(トウガサキ)と申します。
店頭に立っていると「フェンダーが欲しいけど種類が多すぎて選び方がわからない」というご意見を様々なお客様より頂戴いたします。
おっしゃる通り、フェンダー製品にはレギュラーラインに限ってもなお、膨大な数の商品がございます。
この度はフェンダーブランドの現行シリーズをまとめてご紹介し、ご自身にとってベストな一本をお選びいただく足がかりとしていただきたく記事を書いております。
目次
シリーズ : 基本的にフェンダー製品はそれぞれ、この分類のどれかに当てはまります。
※アーティストシグネイチャーなど一部例外あり
本稿においては、各モデルのグルーピングとして認識していただければ問題ございません。
exe.) Player Ⅱ / Hybrid Ⅱ / American Professional II など


「ヴィンテージ系」と「モダン系」
各シリーズの紹介前に、それぞれのシリーズのコンセプトを整理するのに役立つ2つの概念をご説明します。
理解している読者様は読み飛ばしていただいても差し支えございません。
ヴィンテージ系:その名の通りヴィンテージギターのような、当時の仕様を忠実に再現したモデルを指します。
いわゆる「リイシュー」のモデルなどはこれに当てはまります。
フェンダーでは特定の年式が数字として表現されていることが多いですね。
exe.) 50s Telecaster / 54 Stratocaster など
モダン系:プレイアビリティや実用性に重きを置いた、新しいタイプのモデルを指します。
フェンダーで言うところの「モダン系」モデルでは、ロックペグやコイルタップ、サドルの変更、スイッチ系の省略などが特徴です。
※近年に立ち上げられたブランドでは、ヴィンテージ系モデル群の原作となる「当時のモデル」が存在しないため、必然的にモダン系のブランドと位置付けられているものもあります。所謂「ハイエンド」ブランドは概ねここに当てはまります。
(例) Ibanez / Jackson など
ハイエンドでは Suhr / James Tyler / など
フェンダーへ話を戻すと、各シリーズは先述の「ヴィンテージ系」と「モダン系」、そしてどちらにも傾倒しない(あるいは両系統の要素を併せ持つ)「スタンダード系」と、大きく3つの系統に分類されます。
読み進めるにあたって、各シリーズが( ヴィンテージ系 / モダン系 / スタンダード系 )どの系統に属するかを意識しながらお読みいただくと、理解がかなり楽だと思いますので、先にご案内でした。
ちなみに、、、
ヴィンテージ系 / モダン系 / スタンダード系 はそれぞれこんなジャンル・こんな方にオススメです。あくまで一般論ですので、話半分でご参考にしていただければと思います。
<ヴィンテージ系>
向いているジャンル:ブルース、ジャズ、ロック
こんな人にオススメ:ニュアンスを大事にしたい方、レトロな雰囲気を好む方、弾きやすさ・汎用性よりロマンを追求する方
<モダン系>
向いているジャンル:全て(特にハードロック、メタル、ヒュージョンなど高い演奏技術が必要な分野)
こんな人にオススメ:テクニカルな演奏をしたい方(速弾きとかにも適しています)、DTMでの使用も考えている方、扱う音色が多い方、ロマンより弾きやすさ・汎用性を追求する方
<スタンダード系>
向いているジャンル:ポップス、ロック、LM音楽全般
こんな人にオススメ:バランスや柔軟性を重んじる方、まだプレイスタイルが定まっていない方(※初心者にもオススメです)、上の2系統の要素(どちらも大事 or どちらもピンとこない)方
先述の通り、イメージを持っていただくための一般論にすぎません。「このジャンルをやるにはこの系統のギターでなければならない」といったルールは全くございませんので、それぞれを理解した上で、ご自身にピッタリな一本を気楽にお探しくださいませ!
現行のレギュラーラインは( インドネシア / メキシコ / 日本 / USA )のそれぞれに工場を構え製造されています。
今回は各工場(各国)ごとにシリーズをご紹介させていただきます。価格帯は概ね生産国(工場)によって棲み分けされております。
高← →安
(USA>日本>メキシコ>インドネシア)
<インドネシア>
お待たせいたしました。ここから各シリーズのご紹介です。まずはインドネシア製から!
※本稿でご紹介するシリーズやそれぞれの価格帯は、ブログ執筆時の2025年12月ごろのものとなります。
ラインナップや価格帯の更新後は、記事の内容が必ずしも正確とは限りません。予めご了承くださいませ。
インドネシアといえば傘下ブランドの Squier の製造国として認知されておりますが、今年はそのインドネシアからお求めやすさと確かな品質を両立させたシリーズが解禁されました!
Standard
価格帯:8万円後半~9万円弱
系統:スタンダード系

インドネシア工場唯一のフェンダーブランド、Standard シリーズです。
その名の通り「スタンダード系」に分類されます。
フェンダーのレギュラーラインの中では最もお手頃な価格で手に入ります。現行のFender製品で、10万円以下で手に入る唯一のモデル群でもあります。
ギターとしての癖は少なく、まだご自身のプレイスタイルが定まりきっていないギタリストにうってつけのシリーズです。価格帯だけでなく、そういった意味でもエントリー層向けと言えるでしょう。
以前はスクワイアーの展開のみだったインドネシア工場にて、新たに “Fender” のブランドをのせてローンチされたシリーズです。一般的なエントリーモデルと比べても、より本格的な演奏性とトーンを(高コスパで)提供できるのが強みです。
<メキシコ>
材の枯渇や経済的要因の影響で、楽器全体の値上がりが目立つ今日この頃。以前は賛否両論があったメキシコ製Fenderは、その影響を最小限に抑えつつクオリティの向上を図ってきました。

また、これは我々にとっては喜ばしいことですが、単純に楽器の趣味をもつ方が増えたことも、値上げの背景にあるかと存じます。
需要が伸びた分、需要・供給の均衡点(価格)が吊り上がるのは必然です。
一方、楽器の世界へ飛び込むにあたって、最大の壁は「コスト」だと言えるでしょう。楽器を始めたい人が増えるのに対し、その参入障壁は年々高くなる一方です。
メキシコラインはそんなジレンマを解消するのに一役買ってくれる、非常に重要なものと考えております。
ギターのステータスに、「費用対効果」の軸を設けた上で評価するのであれば、日本製やUSA製に勝るとも劣らない価値を提供できるのが、昨今のメキシコ製です。
近年、その圧倒的なコストパフォーマンスで評価を上げているメキシコ製では、現在3つのシリーズを展開しております。
余談が長くなりましたが、以下本題です。
Player Ⅱ
価格帯:10~13万
系統:スタンダード系

前項の Standard シリーズ解禁前は本シリーズがフェンダーブランドのなかで最も優しい価格帯でした。前身の Player シリーズの流れを汲みつつも、ローズウッドの復活や指板エッジの処理など、特にネック部に関して大幅な改良を施したのが Player Ⅱ シリーズの特徴です。
発表直後から現在に至るまで、圧倒的な売れ筋となっております。ポップなカラーリングもエントリー層から支持を集める要因です。
供給量は比較的多いシリーズなのですが、如何せんめちゃくちゃ売れるので需要に追いついていない状況です。
メーカーへの発注や他店舗からのお取り寄せのご相談もお受けいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
※メーカーや他店舗の在庫状況などにより、ご希望に沿えない場合もございます。あらかじめご了承くださいませ。
Player Ⅱ Modified
価格帯:15万円後半~17万円
系統:モダン系

本稿では派生シリーズは同一の項目でご紹介するスタイルを採りますが、このシリーズだけは例外的に扱います。シリーズ名からわかる通り、前項 Player Ⅱ シリーズの派生となる Player Ⅱ Modified です。
Player Ⅱ はスタンダード系でしたが、こちらはそれを大幅に改造(modify)し、モダン系と分類できるほどのプレイアビリティを獲得しました。

ロックペグやノイズに強いピックアップ、コイルタップ機能などが追加されます。フロイドローズのブリッジを搭載しているものもあり、入門機よりワンランク上のグレードを感じるスペックです。
Player Ⅱ から Player Ⅱ Modified になると、シリーズの系統(スタンダード→モダン)と価格帯(10~13万円→15万円後半~17万円)が別物になっているのがお分かりいただけたかと思います。
これはちょうど、前身の Player と Player Plus のような関係ですね。
Vintera Ⅱ
価格帯:15~19万円
系統:ヴィンテージ系

メキシコ製ラストはヴィンテージ系の Vintera Ⅱ シリーズです。こちらも前身の Vintera から大人気のシリーズとなっております。
そんな本シリーズは、50年代/60年代/70年代における “フェンダーの黄金時時代” のタイムレスなサウンドを現代に蘇らせ、フェンダーならではのアイコニックなルックス、インスピレーション、比類ないトーンを提供します。
実は私も本シリーズは1本所持しております。

ネックがちょっと面白いくらいに極太で、ガシガシ弾きたくなるモデルです。
実家にも1本、前身のVintera シリーズのテレキャスターがありますが、断然この子の方が好きですね。
そして、Vintera Ⅱ シリーズには特別仕様 “Road Worn” のモデルラインナップもございます。
レギュラーラインでは貴重なエイジド加工が施されたシリーズです。
▼詳細はこちら▼
Fender / Limited Edition Vintera II Road Worn

ありがたいことに、御茶ノ水本店へ入荷した4モデルのうち2本はご購入いただきました。
残りはこちらの2本のみとなっております。
Limited Edition Vintera II Road Worn ’60s Telecaster Rosewood Fingerboard Burgundy Mist Metallic
【S/N:MX25072896】【重量: 3.41kg】
販売価格: ¥269,500- (税込)
https://www.ishibashi.co.jp/ec/product/0bb0gpafg-2896

Limited Edition Vintera II Road Worn ’60s Stratocaster Rosewood Fingerboard Sonic Blue
【S/N:MX25082073】【重量: 3.67kg】
販売価格: ¥269,500- (税込)
https://www.ishibashi.co.jp/ec/product/0bb0gpaes-2073

ご検討中の方はお早めにお求めくださいませ!
<日本(Fender Made in Japan)>
紹介の前に日本と Fender の歴史的背景へ軽く触れておきます。
本題は次のJunior Collection の項よりはじまります。
「フェンジャパ」こと “Fender Japan” は、1982年から約30年にわたり Fender の国内製造を支えたブランドです。
2015年に契約が終了し、現在は Fender 本社が直接管理する “Made in Japan” シリーズへ。
業界ではよく ”MIJ”(Made in Japan) の略称で呼ばれており、クオリティはそのままに、より世界基準に沿った設計・展開が行われています。
つまり ”Fender Japan” は2015年以降存在せず、“(Fender) Made in Japan” として生まれ変わったということになります。そして、後身の “MIJ” になって変化したのは名称だけではございません。
Fender 本社や、さらにはマスタービルダーまでもが監修に入り、”Fender の日本事業” から “Fender の一部” としての運営に切り替わりました。
一方でノウハウの蓄積がある日本製の拠点工場にて、日本のクラフトマンシップも発揮しながら展開中です。
美談の文脈で語るつもりはございませんが、コピーモデルの量産から端を発した日本製のギターが、今やFenderの直轄で運営されていると思うと感慨深いものがあります。
当店には海外のお客様も多数ご来店されますが、購買傾向や試奏時のご感想から、日本製ギターがどれだけ評価されているのかを日々肌で感じております。
そんな「日本ブランド」と「フェンダーブランド」がほぼ一体になった、”Fender Made in Japan” にはUSAとはまた違った、しかし引けを取らない箔がついていることが分かります。
脱線しましたが、本題へ戻ります。
日本製のシリーズは現在4種類です。
Junior Collection
価格帯:11~13万円
系統:スタンダード系


24インチスケール指板がコードを押さえやすさと押弦時の指への負担を軽減し、約94%にスケールダウンしたコンパクトなボディと新しいボディキャビティ設計により軽量化を実現することで、より高い演奏性を提供します。
新設計のJunior Collection Modified Single Coil ピックアップは、ブライトなフェンダーのトーンが得られます。
ヴィンテージタイプのチューナーとヴィンテージスタイルサドル付きのブリッジにより、チューニングの安定性を確保しています。
Traditional
価格帯:12万円後半~18万円前後
系統:ヴィンテージ系


日本製フェンダーの顔とも言える、Traditional シリーズのご紹介です。
基本的に軽量なバスウッドボディ(70s モデルなど一部はアッシュボディ)、握り心地抜群のUシェイプネック、ヴィンテージスタイルのピックアップなどが大きな特徴です。
高頻度で新カラー(新モデル)が追加され、今年の4月にも21SKUが発表。MIJ Traditional シリーズは合計50モデルまでラインナップを拡充させることとなりました。
渋いルックスのモデルから、年度限定で生産されるリミテッドモデルなど、幅広いラインナップと確かな品質が強みです。
お値段もフェンダーにしては比較的お求めやすく、このシリーズでギターライフのスタートを切るお客様も数多くいらっしゃります。
Hybrid Ⅱ
価格帯:13~17万円
系統:スタンダード系

こちらの Hybrid Ⅱ シリーズも上述の Traditional に劣らずMIJの定番となっております。
ヴィンテージなルックスとオールマイティーなスペックの融合という触れ込みで、これが ”Hybrid” の由来となります。このコンセプトに準じて系統はスタンダード系に分類したものの、スペックはかなりモダンチックです。
定評あるアルダーボディに新設計のHybrid II Custom Voiced Single Coilピックアップを装備し、ヴィンテージスタイルサドル付きの2点支持トレモロシステムを搭載。ヴィンテージロッキングチューナー、Modern “C”シェイプにサテンフィニッシュのネック、9.5インチラジアスの指板とナロートールフレットがスムーズなプレイヤビリティを提供します。
現行の日本製には「モダン系」に当てはまるようなシリーズがないので、そこをカバーすることも狙っているような気がします。
HybridⅡ 在庫はコチラ
イシバシ楽器 Fender MADE IN JAPAN MODERN
以前は名前そのまま Made in Japan Modern(MIJ Modern)という日本製のモダン系シリーズがありましたが、気づけば見なくなってしまいましたね。
軽く調べても公式からの製造終了アナウンスは見つかりませんが、今日完全に無いものとされております。存在すら知らないという方も多いのでは。
稀にですが中古で目にしますので、狙っている方は当店のお近くまで来られたときにフェンダーフロアを覗いてみて下さいませ。
Hybrid Ⅱ に話を戻しますが、昨今こういった折衷型(ヴィンテージ×モダンみたいなコンセプト)のシリーズ・モデルが増えてきた印象です。少なくともフェンダーの中ではトレンドになりつつあります。この後ご紹介するシリーズの中にも、そのようなコンセプトを持つものがございます。
また、前項でご紹介した Traditional とこちら Hybrid Ⅱ は弊社の主戦力でもある FSR モデルの中心でもあります。
限定モデルやスタッフが考案したオーダーモデルもございます。
基本的にその楽器店以外では扱いがないものとなりますので、必然的に本数も少なくなり、競争率が高いためお気に召したモデルがあればお早めにご検討いただければ幸いです。
※FSR(ファクトリー・スペシャル・ラン)
… Fender 正規取扱店 のみが扱うことのできる特別なモデルを指します。

Heritage
価格帯:20万円前後
系統:ヴィンテージ系

Heritage は、MIJラインの最高グレードに位置づけられるヴィンテージ系のシリーズです。
HeritageシリーズのすべてのモデルはUSA製品のプロファイリングデータを元に設計されており、ボディシェイプやネックシェイプも年代に合わせて採用。クロスワイヤーのピックアップやピックアップのセッティングとトーン、ボディのカラーの再現性など、細部に至るまでフェンダーの正統な系譜を受け継いでいます。
Fender Custom Shopでマスタービルダーとして名を馳せ、ヴィンテージ楽器に対して深い造詣を誇るマーク・ケンドリックの監修を得て採用された、ヴィンテージファンを魅了するスペックを詰め込んでいます。当時の仕様を細部にわたって再現するため50s 60s のモデルはラッカーフィニッシュが採用されています。
日本のラインではお高いものになりますが、その価格帯である説得力は十分持っているモデルたちです。
”Fender Japan” が “Fender Made in Japan” になったからこそ実現し得た、現在の日本製フェンダーの象徴とも言えるシリーズとなります。
<USA(アメリカ:コロナ)>

THE WORLD’S LEADING GUITAR MANUFACTURER
いよいよアメリカ製のシリーズです。
もはや説明不要、Fenderやエレキギターの本場として確固たる地位を確立してきました。
その分、価格帯は高めになりますが、最高級ラインに相応しいモデルがラインナップされております。
計4シリーズ(+α)で展開中です。
American Professional Classic
価格帯:24~26万円
系統:スタンダード系


いきなりですが最新シリーズです。
先日、原宿で開催されたイベント『FENDER EXPERIENCE 2025』(10月11日〜13日)にて、新シリーズ“American Professional Classic”が解禁されました。
フェンダーのビンテージの魅力に、現代のプレイヤーに対応した高い演奏性、耐久性、汎用性を融合させたシリーズです。
私のほうでブログをアップしていますので、詳細はそちらをご確認くださいませ。
Fender USA 新シリーズAmerican Professional Classic 登場!
American Professional Classic 在庫はコチラ
American Professional Ⅱ
価格帯:25~28万円
系統:スタンダード系

Fender USA ではお馴染み、「アメプロ」ことAmerican Professional Ⅱ です。

ネックは「Deep “C”」プロファイル + 9.5インチ指板ラジアス + 22フレット/ナロートール・フレット、さらにネックヒールの形状を見直し、高ポジションへのアクセス性も向上しました。ネック裏は “Super-Natural” サテン仕上げとなります。
新開発のピックアップ (Fender V-Mod II) を搭載。より明瞭でバランスの良い出力と、幅広く汎用性の高いサウンドを提供します。
ボリュームを絞った時でも高域の抜けを保つ「トレブル・ブリード回路」搭載。ライブやクリーン〜クランチのブレンド、表現の幅を保ちたいプレイヤーに嬉しい仕様です。
American Professional Classic の前身であるAmerican Performer とは同じスタンダード系でありながらも価格帯が違いましたが、プロフェッショナルクラシックになってからはそれぞれの棲み分けが難しくなりました。
どちらも25万円前後のスタンダード系USAシリーズになりますが、強いて言えばアメプロの方が挑戦的なモデルが多いように感じます。FSRやリミテッドモデルなどでは古典的(クラシック)なフェンダーとは異なる、フックが効いたモデルが散見されます。ボディカラーも Dark Night や Mercury のような当時のカスタムカラーにはないフィニッシュがあるのも特徴です。ピックアップはV-Mod (Ⅱ) と呼ばれるヴィンテージスタイルのものが搭載されており、完全にモダンに振り切っているわけではありませんが、やや現代的な印象が強いのはアメプロ(American Professional Ⅱ)のほうだと言えるでしょう。
American Professional Ⅱ 在庫はコチラ
American Vintage Ⅱ


価格帯:35~40万円
系統:ヴィンテージ系
「アメプロ」に続いて「アメビン」をご紹介します。「アメビン」こと American Vintage Ⅱ シリーズは現行フェンダーにおいて最高グレードの価格帯になります。


ネックは 7.25インチ 指板ラジアスや当時の “C” または “V” シェイプを採用し、21フレット + Vintage-Tall または Medium-Jumbo フレットというクラシックなフィーリング。現代の「弾きやすさ」よりも「オリジナルらしさ」を重視する、まさに「ヴィンテージ系」の筆頭格と位置付けられます。
ボディ仕上げもニトロセルロース・ラッカーで、使い込むほどに“鳴り”と風合いが変化。ヴィンテージギターならではの“育てる楽しみ”を味わえるのも嬉しいポイントです。


ここまででご紹介した「ヴィンテージ系」シリーズとひと味違うのは、モデル名の年式がピンポイントで指定されている点です。
例えばストラトには1961モデルと1965モデルがございます。アメビン以外のシリーズだと、両者はローズ指板×アルダーボディの「60s ストラト」として一括りにされるところでしょう。一方アメビンではそれぞれの年式に準じて 61モデル / 65モデル でローズ指板が スラブ / ラウンド 貼りの違いを持たせてつくられています。もっと細かく見ると、ピックアップのモデリングがそれぞれ ブラック / グレイ ボビンを基にしているのもポイントです。インレイの素材やヘッドデカールのフォントなど、外観的な部分も含めるとキリがありません。
もはや「60年代のストラト」という抽象的なイメージは無く、当時の年式をそれぞれドンピシャで再臨させようとしているのが感じられます。
この話からお伝えしたいのは、それぐらいの再現度とこだわりをもって製造されているシリーズであるということです。誰彼構わずオススメできる価格帯ではありませんが、例えば、お気に入りのアーティストやギタリストと紐づいて、特定のモデルに強い憧れをお持ちの方には是非とも所持していただきたいシリーズです。
American ULTRA Ⅱ
価格帯:25~40万円
系統:モダン系

最後はモダン系USAシリーズの American Ultra II です。フェンダー最高峰のプレイアビリティを誇る本シリーズは、スペックについて語ると終わりがないので、ご興味ある方は次のページをご覧ください→ Fender American Ultra II シリーズ
価格帯をご確認いただくと、かなり幅が広いことがお分かりいただけると思います。実は当シリーズ、カラーによってかなり売れゆきが偏っているという実情がございます。これはモダン系のシリーズ故か、ご購入の決め手がカラーになることが多いからだと推測しております。
もちろん同じモデルであればサウンドやプレイアビリティは基本的に同等のものになりますので、「モデルだけ固めて、あとは金額で選ぶ」といったドライな出逢い方も、モダン系ギターの選び方としてはアリだと私は思います。
American Ultra Luxe Vintage
価格帯:50万円前後
系統:スタンダード系?(モダンスペック×ヴィンテージルックス)

裏ボス枠で最後に American Ultra Luxe Vintage をご紹介いたします。
無理やり分類すると、上述の ULTRA シリーズの派生系になります。が、塗装の質感や雰囲気をみるとモダン系とは思えない仕上がりになっています。それもそのはず、Ultra(モダン系)の派生でありながらなんと当シリーズはラッカーフィニッシュで、エイジド加工まで施されております。
一方でスペックとしては、ネックがサテンフィニッシュだったり、コイルタップ機能が付いていたり、テレキャスターモデルにはボディコンターが入っていたり、とモダンチックな要素を併せ持っております。
日本製の Hybrid や、USAのAmerican Professional Classic でやっていること(モダンとヴィンテージの共存)を、レギュラーラインで実現し得る範囲の最高レベルでつくりあげたようなイメージでしょうか。
この価格までくるとカスタムショップの中古や他のハイエンド系ブランドも視野に入ってきますので、なかなか難しいところですが、コイツらも金額に見合ったモノに仕上がっていることは間違いありません。
エイジドされたモダンスペックのギターは従来カスタムショップの十八番でしたが、ついにレギュラーラインでも実現しました。
欲しかったカラー×スペックをもつ運命のモデルとの出逢いがあるかもしれません。是非Webや店頭でラインナップをご覧くださいませ。
解禁時にブログも書いております。ご興味あればご覧下さい→ Fender / American Ultra Luxe Vintage シリーズ発売!
American Ultra Luxe Vintage 在庫はコチラ
以上となります!お疲れ様でした。
各国工場ごとにシリーズをまとめておきます。
<インドネシア>
Standard…スタンダード系
<メキシコ>
Player Ⅱ…スタンダード系
Player Ⅱ Modified…モダン系
Vintera Ⅱ…ヴィンテージ系
(Vintera Ⅱ Road Worn)…ヴィンテージ系
<日本>
Junior Collection…スタンダード系
Traditional…ヴィンテージ系
Hybrid Ⅱ…スタンダード系
Heritage…ヴィンテージ系
<USA>
American Professional Classic…スタンダード系
American Professional Ⅱ…スタンダード系
American Vintage Ⅱ…ヴィンテージ系
American ULTRA Ⅱ…モダン系
(American ULTRA Luxe Vintage)…スタンダード系(?)
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
Fender 製品、少なくとも現行品においては概ね理解したとお考えいただき差し支えございません。
ギターを新調されるときは、これらをご参考にしていただければ幸いです。
店頭にても様々なご質問・ご相談を承ります。
在庫の確認やお取り置きのご希望も随時受け付けておりますので、
お気軽にお問い合わせくださいませ。
ご来店お待ちしております。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
店舗情報

イシバシ楽器御茶ノ水本店
OCHANOMIZU HONTEN
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台2-2
TEL:03-3233-1484
営業時間:11:00 ~ 19:00
アクセス:【JR】御茶ノ水駅(徒歩1分)
【東京メトロ】丸の内線 御茶ノ水駅(徒歩2分)
【東京メトロ】千代田線 新御茶ノ水駅(徒歩2分)
