Gibson Memphis B.B.King Lucille
バリトーンスイッチを使いこなそう!
2015年5月14日、1950年代より活躍したブルース界の巨匠「B.B.King」が他界したことは業界に衝撃をもたらしました。
その功績はこれまでも、そしてこれからも、多くの文面で語り継がれていくかと思われますので、
ここではB.B.Kingが愛した名機「Lucille(ルシール)」の仕様についてお話しましょう。
あ、ルシールという名の由来、それもここでは語るには恐れ多い事ですので、、、
今回は意外と皆様が使いづらいなぁと感じているであろうバリトーンスイッチについて。
1950年代終わりにギブソンセミアコモデル「ES-335」が登場した時、バリエーションモデルとして発売された
ES-345、ES-355に付いていた6段階のロータリーセレクタースイッチがこのバリトーンスイッチ。
その回路図は…
おっと、、、もうなんだか難しそうで、挫折してしまいそう。。。
いやいや、ここで少し我慢してお付き合い頂ければきっと理解して頂けるかと思いますので、しばしご辛抱を!
1~6まである切り替えスイッチは
1:バイパス(何も通さない)
2:7.1kHzをカット(高音域)
3:4.1kHzをカット
4:2.3kHzをカット
5:1.3kHzをカット
6:480Hzをカット(低音域)
というように、高音域から低音域まで、段階的に特定の周波数帯域をカットすることで、あの独特のトーンを生み出しているのです。
これが、前回お話しした、グレッチのトーンセレクター同様に、バンドアンサンブルでは非常に使えるんですよ!
例えば、、、
1つの楽器としてギターを楽しむ時は、とことん太く抜けるサウンドを求めてしまう傾向にありますが、
大所帯でのバンドアンサンブルを想定した場合、太すぎるサウンドでは他の楽器を邪魔してしまい、
誰が何の音を出しているんだかよく分からない、はちゃめちゃなアンサンブルになってしまいがちです。
そこで、アンサンブル全体を聞きながら、バリトーンスイッチで出過ぎている周波数を探してカットしてあげると、
自分の音も、周りの音も、はっきりくっきり聞こえる絶妙なアンサンブルが出来上がることが実感出来ると思います。
レコーディングしたバンドサウンドが、エンジニアによって余計な周波数をそぎ落とされて
すっきりまとまったサウンドに仕上がる事と似ていますね。
大抵のライブでは専任エンジニアがおりませんので、自分たちでコントロールしなければなりません。
そんな時に役立つバリトーンスイッチ!!
ただし、単純に特定周波数をカットする為、音量が下がったように聞こえますので、
ボリュームコントロールも同時に手元で操作できるようになると、さらに楽しくなることでしょう。 😉
皆様も是非お試し下さいませ~♪
(ナカザワ)