アコースティック2大ブランド徹底比較 ~どちらのローズウッドがお好き?~
いつも『GuitarQuest』をご覧いただき、ありがとうございます。アコースティックギター担当の藤本です。
心斎橋店の近くの大通りはイルミネーションがとってもキレイです。
皆様、冬物コートはもう着てますか?
僕はまだジャケットとマフラーで凌いでいます。
さて、今回はアコースティック2大ブランド、MartinとGibsonのおすすめモデルをご紹介したいと思います!
巷で話題になっている「ローズウッド」を採用した定番モデルを徹底比較!
先手:皆の憧れ「Martin」の定番モデル、D-28
もはや多くを語る必要もないでしょう。Martin D-28 通称「ニッパチ」です。
シトカ・スプルースTOPに、インディアン・ローズウッドSIDE/BACK。
アコースティックギターの模範といっても過言ではないほど、世界中のギタリストに愛され続けているモデルです。
1960年代のフォークブーム以降に、日本国内のブランドが挙ってコピーしたのがこのMartinギターです。
とにかくパワフルな音量と、低音から高音までの広いレンジが特徴です。
特に現行モデルのD-28は内部のブレーシングがノン・スキャロップですので「音が前方に飛んでいく」印象です。
フォークはもちろん、カントリーやブルーグラスプレイヤーにも人気で、コードストロークからソロまで幅広いプレイスタイルに柔軟に対応できます。
さすがニッパチ。やっぱり良いギターです。
後手:Gibsonの新定番?ローズウッドボディーのGibson J-29
デビューは2014年。
Gibsonといえば「J-45」という方も多いでしょう。J-45はシトカ・スプルースTOP、マホガニーSIDE/BACK。
対してJ-29はシトカ・スプルースTOPに、ローズウッドSIDE/BACK。
・・・
お気づきでしょうか?
そうです!Martin D-28と同じボディマテリアルなのです。
J-45などのマホガニーボディーのギターは明るくジャキっとした抜けの良いサウンドが持ち味ですが、このJ-29はローズウッドボディー。
Gibsonらしい骨太さは残しつつ、さらに低音がどっしりとして、高音がキラキラっとしたクリアなサウンドです。
フィンガーでアルペジオを弾いた際の音の分離感や繊細さが、このモデルの最大の持ち味でしょうか。
実はJ-45とブレーシングタイプも違い、より倍音が出やすい「ワイドXブレーシング」というヴィンテージスタイルを採用していたりもします。
J-29はD-28へのリスペクトから生まれた?
こうして2つのモデルを比較してみると、いかがでしょうか。
なんだかこの2モデル、似ていませんか?
先述しましたように、スプルースTOP、ローズウッドSIDE/BACKというボディーマテリアル。
そしてナチュラルカラー。Gibsonラウンドショルダーボディーで「ナチュラルカラー」というのは2014年デビュー当時は驚きました。
最後にモデル名・・・
D-28 (でぃー にじゅうはち)
J-29 (じぇー にじゅうきゅう)
・・・
28
と
29
・・・
「ニッパチ」
「ニッキュゥ」??
リスペクトなのか、それともライバルへの挑戦なのか・・・
皆様のご想像にお任せします。
ローズウッドとワシントン条約
先日ヨハネスブルグで行われたワシントン条約第17回締約国会議にて、世界中に存在するローズウッド全てが国際取引の規制対象となることが決定しました。
それはインディアン・ローズウッドなど多く流通しているローズウッドでも、規制をしなければ絶滅の恐れがある、ということです。
いよいよここまできたか、、、という感じです。非常にショッキングなニュースです。
今後ローズウッドを採用したアコースティックギターや、その他の楽器達はどうなっていくのでしょうか。
すぐにローズウッドの使用や国際間の取引自体が禁止されるわけではないのですが、今後のアコースティックギター業界には少なからず影響が出るかもしれません。
も、もしかしたら価格高騰なんかも・・・??
あの子も愛用しているニッパチとニッキュゥ(?)、その違いを是非体感してみてください!
皆様はどちらのロースウッドがお好きですか?
藤本も自信をもってオススメするこの2モデル。
全国のイシバシ楽器にて取扱いしておりますので、お近くの方は是非店頭で見比べて、弾き比べてみてください!