今なお使えてお買い得!BOSSの歴代GTシリーズを振り返る!

超小型軽量のボディに機能を凝縮した最新のGX-100,GT-1000に至るまで、さまざまなモデルを踏まえて進化してきたBOSSのフロアタイプマルチエフェクター・GTシリーズ。

後ろを振り返らないことで有名なBOSS哲学は重々承知の上で、いま改めて歴代のGTモデルたちを見直してみたいと思います!

(※2022年4月加筆修正済み)

 

初代:GT-5(1996~)


AD変換:22bit(AF方式) 128倍オーバーサンプリング
DA変換:18bit 16倍オーバーサンプリング
プログラムメモリー:250(100ユーザー/150ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):520x221x113mm
重量:4.7kg

ダークブルーのボディにオレンジのテキストという特徴的なカラーリングをまとって登場したGT-5

1UラックサイズのGP-100直系のデジタルプリアンプと、BOSS自慢のアナログオーバードライブ/ディストーションを併せて使うことができる、デジタルとアナログを融合させた一台でした。

特に歪み系にはプリアンプ、オーバードライブともにユーザーが自由にサウンドエディットできるCustomプリアンプ/オーバードライブが2つずつ用意されており、Customパッチ同士を組み合わせることで他の誰とも違う自分だけのトーンをカスタマイズすることが可能。

13種類のデジタルプリアンプを搭載し、ハイゲインアンプの代名詞であったSoldano SLO-100をモデリングした「SLDN Lead」やPeavey 5150をモデリングした「Metal 5150」、ブティック系アンプのブームを作ったMATCHLESS DC-30をモデリングした「MATCH drive」など、90年代中期に流行した当時最先端のトーンを高校生でも頑張れば手が届く価格で再現してくれるコストパフォーマンスに優れた一台でもありました。

 

二代目:GT-3(1998~)


AD変換:24bit(AF方式) 64倍オーバーサンプリング
DA変換:20bit 128倍オーバーサンプリング
プログラムメモリー:340(140ユーザー/200ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):487x222x97mm
重量:4.0kg

ナンバーペダルが5つから4つになり、GT-5から横幅が約33mm縮小、重量にして約700gの軽量化とひと周りダウンサイジングされたデザインながら、バンクペダルは1つから2つに追加され、ステージでの使い勝手が一段進歩したGT-3

コントロールパネルのボタンもGT-5からほぼ配置を変えずにサイズを細くする形でまとめられており、GT-5ユーザーからのフィードバックを上手く取り込んで最適化されたデザインになっています。

GT-5オリジナルのCustomプリアンプ/オーバードライブはオミットされているものの、プリアンプ部分にはアコースティックアンプの機能が追加されており、内部エフェクトのアコースティックシミュレーターと組み合わせて、より一層リアルなエレアコサウンドを作ることもできました。

また、GT-3ではあらかじめ用意されているサウンドを基に4つのパラメーターを操作するだけでかんたんに音作りが進められる「イージーエディット」の機能が初めて搭載され、ビギナーにも優しいBOSSらしさがふんだんに盛り込まれた一台になっていました。

 

三代目:GT-6(2001~)


AD変換:24bit(AF方式)
DA変換:24bit
プログラムメモリー:340(140ユーザー/200ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):515x261x107mm
重量:4.7kg

GT-5,GT-3のダークブルーから、ブライトなゴールドへと変更されたボディカラーに「COSM」のロゴが目を引くGT-6

GT-5/3では約222mmだった奥行きを40mm延長したボディはパネル面のデザインが大きく変更され、プリアンプや歪み系エフェクター、空間系エフェクターなどのカテゴリー毎に対応したコントロールノブが大量に搭載されています。

肥大化を続けるラックエフェクター全盛の世界の裏側でコンパクトエフェクターが見直されはじめたアナログ回帰の流れの中、マルチエフェクターの操作にもリニア感が求められた結果、コントロールノブを表面に置く、というシンプルな回答に至ったのでしょうか。

この辺りの操作面については人によって好みが分かれるところかと思われますが、筆者は好きです。

イージーエディットを使いやすくした「EZトーン」により、イメージに近いパッチを探してパネル面のコントロールノブで微調整するだけで快適な音作りが楽しめます。

プリアンプ部分も増強され、11種のプリアンプのそれぞれ3つのバリエーションが設けられており、GT-5以来のCustomプリアンプが復活。

2000年代初頭のギターサウンドといえば何をおいても2ch仕様のMesa/Boogie Dual Rectifierですが、流行に敏感なBOSSの開発陣は当時大人気だったレクチのハイゲインサウンドをきっちり取り込み、前述の3つのバリエーションでRedチャンネル、Orangeチャンネル、Vintageスイッチモードを再現するという徹底ぶりを見せています。

エフェクターの面ではフレットレスギターのサウンドを再現する「デフレッター」、揺れモノの中でもデジタル化が非常に困難と思われるユニヴァイブを再現した「Uni-V」が追加され、総計37種類のエフェクトが搭載されていました。

 

四代目:GT-8(2004~)


AD変換:24bit(AF方式)
DA変換:24bit
プログラムメモリー:340(140ユーザー/200ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):515x261x107mm
重量:4.8kg

GT-6のゴールドから、メタリックブラックという渋めでシックなカラーへと変貌したGT-8

ツマミ類の配置はGT-6とほぼ変わらず、正常進化型のモデルといった感じですが、このGT-8ではプリアンプの種類が更に増加し、46種類のアンプタイプから選べるようになりました。

新たに多チャンネルアンプの代表格・Hughes&Kettner Tri-AMPのモデリング「T-AMP」が収録され、従来のアンプモデリングも実機のチャンネル構成などをより細かく再現したものにリファイン。

入力された音声信号を内部のミキサーで分岐させて、A/Bチャンネルでそれぞれ別のアンプモデルを鳴らし、再度まとめて出力することができるChannel Mode機能が初めて搭載され、なかでもピッキングの強弱でA/Bチャンネルのアンプモデルを切り替えるという玄人好みなDynamicモードはとてもユニークでした。

「プレキシマーシャルのモデリングを基に強くピッキングするとベースマンのトーンになる」というような先祖還りサウンドや、「レクチのREDチャンネルとトライアンプのチャンネル3をLRステレオで出力する」といった贅沢なセッティングをCOSMモデリングで作り出すことができ、想像力次第で楽しみの幅が大きく広がる要素だったと思います。

また、アンプモデリングの変更に伴い、スピーカーキャビネットのバリエーションも大幅に増加。

エフェクターの面では「シタール・シミュレーター」や「ウェーブ・シンセ」など実験的なエフェクトが追加され、ギターシンセに近いアプローチも取れるようになりました。

 

五代目:GT-10(2008~)


AD変換:24bit(AF方式)
DA変換:24bit
プログラムメモリー:400(200ユーザー/200ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):542x272x104mm
重量:4.9kg

大型化されたディスプレイとCTLスイッチを二基搭載したシルバーボディが印象的なGT-10

発売当時はSUGIZOさんのデモンストレーションCDや本人監修のパッチデータなどが話題になっていました。

パネルレイアウトは大きく変わり、プリアンプや歪み系、空間系を調整する専用のノブ類は撤去。

ディスプレイとその下の4つのパラメーターノブでコントロールするスタイルに切り替わりました。

ペダル周りもCTLスイッチを追加した影響からか、各フットスイッチ自体が少し細長いデザインへとリニューアルされ、全体的にかなりすっきりとしたスマートなデザインに仕上がっています。

プリアンプモデルはGT-8とほぼ共通ながら、Channel Mode機能が改良され、分岐した2つのチャンネルそれぞれに空間系のエフェクトを別々に設定することができるようになり、音作りの自由度が更に広がりました。

38秒のフレーズループ機能を搭載し「マルチエフェクターを使ったループパフォーマンス」という新たな可能性をユーザーに提示してくれた一台でもあります。

 

現行版:GT-100(2012~)


AD変換:24bit(AF方式)
DA変換:24bit
プログラムメモリー:400(200ユーザー/200ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):542x271x102mm
重量:4.8kg

先代のGT-10で搭載された大型ディスプレイを筐体中央に2基搭載し、フロアタイプのマルチエフェクターとしては画期的なデュアルディスプレイデザインとなったGT-100

ディスプレイを中心に据えた結果、従来フットペダルの傍にあったバンクスイッチは筐体の左側に移設されています。

全体のデザインとして視覚的に分かりやすく使うための工夫が各所に施されており、パネル上のボタンの数は8つと歴代GTシリーズでは最も少なく、フレーズルーパースイッチは赤、Accel(アクセル)スイッチは青、とスイッチ類の配色も変更。

プリアンプ周りは「ADVANCED」と「VINTAGE」の2つのカテゴリーに分けられ、GT-100で追加された新規プリアンプモデルは「ADVANCED」、従来のCOSMプリアンプモデルは「VINTAGE」にまとまっています。

新規搭載のAccelスイッチは、さまざまなパラメーターの同時操作で生まれる特殊効果をひとつのフットスイッチを踏み込むだけで使うことができ、例えばディレイの発振サウンドや瞬間的なワーミー効果のようなトリッキーなサウンドを複雑な設定作業なしでポン出しできる、といった機能です。

ディスプレイが2基になった恩恵は大きく、GT-10では階層を潜って設定していたような項目も、GT-100では直接操作することができ、効率的に音作りを進めることができます。

 

GT-1(2016~)


AD変換:24bit(AF方式)
DA変換:24bit
プログラムメモリー:198(99ユーザー/99ファクトリープリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):305x152x74mm
重量:1.3kg

GT-100由来のサウンドエンジンをA4サイズのコンパクトな筐体に収めた最新のGTモデル・GT-1。

筐体のトップ面をプラスチック素材にすることで全体的な軽量化を図りながらも、底面には金属素材を使用しペダルを踏み込んだ際の剛性や設置時の安定性をきちんと稼いでいるデザイン面での上手さはさすがの一言に尽きます。
GT-100でのエディット操作をより簡略化したEASY EDITにより、小さいディスプレイと最小限のツマミ数でありながら操作性は良好。
BOSS TONE CENTRALエディターを使えば、PCからの音色エディットはもちろんメーカーサイトからダウンロードしたアーティスト監修パッチのトランスポートも可能です。

 

 


AD変換:32bit+AF方式
DA変換:32bit
プログラムメモリー:500(250ユーザー/250プリセット)
サイズ(幅×奥行き×高さ):462×248×70 mm
重量:3.6kg

GTシリーズの進化はとどまることを知らず、新技術“AIRD”(Augmented Impulse Response Dynamics)を採用したGT-1000が登場!!
2018年4月に発売され、翌年の2019年5月には大型アップデート(Ver.3.00)が行われ、ベースにも対応できるようになりました!!

サウンド面だけでなく、細部にまでこだわった音作りや操作性などもブラッシュアップ。
PC/MACだけではなく、スマートフォンやタブレットにも対応した「BOSS TONE STUDIO for GT-1000」アプリからより詳細な操作ができるようになりました。
また、TONE STUDIOアプリはGT-1000とBluetooth接続してワイヤレス・エディットが可能。豊富な入出力端子との組み合わせにより、最高の表現力を提供します。

 

 

おまけ情報:ペダル無し仕様ですが2020年にGT-1000COREが発売!コンパクトで持ち運びラクラク!こちらも要チェック!

 

以上、少々長くなりましたがBOSS GTシリーズの歴代モデルの特長をかんたんに振り返ってみました。

発売当時欲しかったけど買えなかった…という方も、あの頃使ってたアレの音がもう一度出してみたい…という方も、全部踏まえて一番いいやつを頼む…という方も、新品、中古、合わせてご検討頂ければと思います!

 

ご購入、お問い合わせは商品ページ又はお近くのイシバシ楽器店まで!!

 

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