【イシバシ三銃士のスーパーギター列伝・アーカイブス】第1回

※この記事はイシバシ楽器メールマガジン2016年5月号「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」からの転載記事です。最新版はイシバシ楽器のメールマガジンにてご覧いただけます。


みなさん、はじめまして。キング在原です。

スターキー星から引継ぎまして今後は、私キング在原が素敵なギター達をご紹介させていただきますので皆様宜しくお願い致します。とその前に、突っ込みどころ満載のネーミングですが、少しだけ説明させていただきます。
私のフェイバリットミュージックがB.B.キング、フレディー・キング、アルバート・キング、いわゆる「三大キング」が好きな為、キングのネーミングを勝手に付けさせていただきました。
今後は、キングネタを折り込んでいきますのでぜひお楽しみに。

さて話を戻しますが、記念すべき第1回目。やはりギブソンフリークとしてはこちらの「2016 Historic Select 1959 Les Paul Reissue」を紹介したいと思います。

ヒストリックセレクト(以下、HS)はご存知の方も多いかと思いますが、ギブソン史上最高のモデルと言われているトゥルーヒストリック(以下、TH)と対をなす最高峰モデルの一つです。
2015年からボディ部にもハイドグルーが使われ、サスティンや生鳴りが飛躍的に向上しております。
木材やカラー選択が出来ないTHに比べ、HSはTHと同等スペックながら比較的自由なオーダーができるのが最大のメリットとなっています。

年4回、日本ディーラーが現地ファクトリーに集まり、1,000枚を優に越える膨大な量のパレットからの木材選定、カラーやその他オプションを変更して出来上がるHSは、正直THを越えるモデルといっても過言ではないと私は思っています。

今回ご覧頂いている本器は、2015年12月に現地ナッシュビルにてオーダーしてきたモデルです。
これぞ、フレイムというビッシリ、バランス良くワイドに入ったメイプルトップがレスポールの魅力を最大限まで際立たせています。
またエイジドの第一人者として他の追従を許さないエイジト加工力を誇るトム・マーフィーがエイジドを担当することにより、非常にリアルでヴィンテージレスポールかと思わせる風合いに仕上がっています。

カラーはCover Burstと言われるとおり、「The Beauty of the Burst」のカバーページにあるレスポールファンが理想とするスペシャリティーなカラーをイメージしています。
バースト部が程よく残り、黄色から濃いオレンジとも見えるカラーにフェイドしていく様は美しいの一言に尽きます。

本器は3.77kgとバランスの取れた非常に軽い個体で、音の輪郭がハッキリしたブライトなサウンドが特徴です。
ブライトと言っても、ただよくありがちな高域のキンキンした感じが全く無く、尖った音の角が取れていて、何年も弾き込んだかの様なとても良く馴染んだヴィンテージに近いニュアンスで、弾いていると大変気持ちよいギターです。
また、ピックアップには出力が高めのカスタムバッカーの中ではこの個体は比較的抑え目なカスタムバッカーが搭載されています。
恐らくポールピースのエイジド具合やその他様々な部分が影響するとは思いますが、こういう個体差があるのはギブソンの魅力ですし、面白いところですね。

ネックシェイプに関してはエドウィン・ウィルソン氏監修の元、膨大なヴィンテージレスポールから3Dデータをスキャンし、最も59シェイプに相応しいと感じたレスポールのシェイプを採用しています。
基本的には1959モデルはすべて同じシェイプですが、良くも悪くも個体差はあります。
本器に関しては59モデルの中でも若干太めの58よりに近い握り具合となっています。

プラスチックパーツに関しては、TH同様トゥルーヒストリック・パーツを採用しています。
2016年からピックアップカバー・スイッチノブにVer.1/Ver.2が存在し、ランダムに搭載されるようになりましたが、本器は角が滑らかになっている新しい形状のピックアップカバー、濃いスイッチノブとなっています。

2016年もギブソンカスタムが自信を持って余に送り出しているヒストリック・セレクトシリーズです。ぜひ店頭にてその素晴らしいサウンドを体験してみてください!!

大いなるギターワールドの旅に出かけよう!

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