Ibanez 話題のJEM-Junior (JEMJR) インプレッション。

いつもGuitar Questをご覧頂きまして誠にありがとうございます。

今月からWEBSHOPに勤務になりましたエレキギター担当成瀬と申します。
好きなジャンルはHR/HMです!今後私が独断で一推しのギターを不定期で紹介させて頂きたいと思います。ご覧頂けたら嬉しいです。宜しくお願い致します。

さて、先週突如として、Ibanezの代理店である星野楽器様から「JEMJR」の国内発売という、発表がありました。
長年ギターを販売していると、商品画像からだいたいこのくらいの価格だろうと予測するクセがついてしまっておりますが、その想像した価格と実際の価格との差がこれ程あったギターが過去あったでしょうか。率直に「安い!」と思ってしまいました。
そんなギターを紹介させて頂きたいと思います。

ギターキッズの憧れであるIbanezの「JEM」といえばIbanezの代表ギターあの「RG」の元になったギターです。

「JEM」は1987年にシカゴのNAMMショウにて発表されたSteve Vaiのシグネチャーモデルです。
その後の「RG」の元となる衝撃的なルックスのギターは、エレキギターの歴史にとって非常に重要な出来事でした。

現在は定価36万円の「JEM7V-WH」に代表されるIbanezにとって最重要なハイエンドモデルですね

Ibanez / Steve Vai Model JEM7V White (WH)

 

そして、今回限定生産にて「JEMJR」なるモデルが登場致しました!
それがこちら!↓↓↓↓

如何でしょう?!かなりルックス近くないですか?

ホワイト・イエロー・ピンク・ホワイトレフトハンドモデルのラインナップがございます。
JR(ジュニア)と付くので最初はショートスケールやミニギターを想像しましたが、レギュラーサイズ、スケールのモデルです。

 

 

 

 

 

実機のアップ画像はコチラです。

「JEM」の見た目は極力そのままに非常に手に取りやすい価格を実現したモデルです!
なんとJEMの特徴でもある「モンキーグリップ」やブリッジ下のザグり「ライオンクロー」までも再現しております。
それだけではなく、この価格帯のギターではまずありえない、「Tree of Life」インレイも再現しているんです。

ではその価格を超越した細部を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

○モンキーグリップ

 

 

 

 

 

○Tree of Lifeインレイ

 

 

 

 

 

 

 

○ライオンクロー

 

 

 

 

 

如何でしょうか。細部まで高級感溢れるルックスですね。

ではなぜこの価格でこれだけのスペックを実現出来ているでしょうか。自分なりに考えてみました。
まずボディー材をメランティーという比較的入手しやすく、加工しやすい材を使用しております。
節が出やすかったり、木目が均一でないという理由で安価になっている材だそうですが、
元々単色カラー塗りつぶしのこのギターには恩恵しか無い様に感じますね。バスウッドの様なフラットな音響特性の様です。

また、指板材にはジャトバと言うイスやテーブルの様な家具に多く使われる材で
加工しやすく硬質でネック材に適した材を使用しております。
ネックは上位モデルの5ピースネックではなく、スカーフジョイント式のメイプル材を使用しております。
Ibanezは廉価なギターでもこの方式を採用しておりますが、ネックの耐久性は他のメーカーの廉価ギターに
比べて強いように感じます。

あとはブリッジを上位機種の「Edge」シリーズでは無いブリッジユニットを搭載しているところもコスト削減を狙ったものだと思われます。

それらを差し引いても非常にコストパフォーマンスの優れるギターである事は間違いないですね。

演奏面においても激しいアーミングプレイが可能な、「Double Locking tremolo bridge」やレスポンスに優れダイナミクス溢れるトーンのIbanezオリジナルピックアップ(ホワイトはQuantum,ピンクとイエローはInfinityピックアップを搭載。)を搭載しておりヴァイの様な表現力溢れる楽曲を演奏する事も可能です。

また、ネックタイプはWizard III を採用しております。
(1F地点の厚み19mm、12F地点の厚み21mm)
と薄いタイプですが、j.custom等に搭載されているSuper Wizardよりは厚みがあるネックです。

ちなみにネック厚が1mm薄くなると、同じ弾き方であれば、指の長さが1mm伸びるのと同じ効果があると
言われているほどプレイアビリティーが向上するそうです。

 

 

 

~試奏インプレッション~

実際に弾いてみましたが、率直に価格帯ではありえない弾き易さとそのサウンド、そしてルックスの豪華さに感動いたしました。

メランティー材はバスウッド材に近いフラットな音響特性で歪みのノリも良く、様々なペダルとの相性も良いと感じました。指板のジャトバもローズウッドに遜色無く、弾いてて違和感は全く感じませんでした。
Wizard IIIシェイプのネックはコード弾きでもハイフレットのソロプレイでも非常に握り込みがしやすく、薄すぎない
丁度良いシェイプだと思います。

フロント、リアのハムバッカー(Quantumピックアップ)はパワフルでかなり歪ませた状態でも輪郭がつぶれない使いやすいピックアップです。バンドの中でも抜けの良いサウンドを奏でてくれる事でしょう。

またシングルコイル・ピックアップが真ん中にある事により、サウンドバリエーションも格段に増え、セレクターを
操作するだけで、シングルコイルのジャキジャキっとしたクリアなサウンドに変化。クリーンからちょっと歪んだ状態のクランチサウンドにおりても非常に歯切れの良いサウンドになりました。

ブリッジはこの価格ながらダブルロック式のトレモロを搭載しております。
FRTタイプはセッティングが命です。
最初は弦が張りたてという事もあり、チューニングが安定するまで時間がかかりましたが、伸びきると安定してきました。ボディーのザグりも深く、6弦でEからBまで大幅なアームアップが可能でした。
アームあまり使わずともチューニングの安定性や独特の揺れ感等、FRTタイプの恩恵を受ける事が出来ると感じました。

このクオリティーのギターが5万円台から買えてしまう事はある意味革命的だと思います。
スポット限定生産で次の入荷は全くの未定です

是非この機会にご検討下さいませ!

シェアする