スペイン・アルバセテのThermion Pedalsから、多機能ファズペダル「STONE AGE」入荷しました!

スペイン中部の町・アルバセテに拠点を構えるThermion(サーミオン)は、チューブアンプのメンテナンス会社として2012年にスタート。
現在はオリジナルデザインのチューブアンプやキャビネット、ペダルエフェクターを生産しているブティックメーカーです。

今回は1台で32通りのサウンドバリエーションが楽しめる多機能ファズ「STONE AGE」をご紹介します。

ADD OCTAVEADD CLEANBYPASSの3つのフットスイッチが並ぶ筐体はMXRサイズ2つ分程度とやや大柄ながら、コントロール自体はシンプルでスマートにまとめられたレイアウトになっています。

右上に配置されたサウンドエンジンツマミで上から「Muff(Thermion モディファイ)」「Face」「Maestro」「Single Transistor」の4つのモードを選択可能。

Muff(Thermion モディファイ)モードはビッグマフのサウンドキャラクターをベースにThermionによるアレンジが加えられており、図太くウォーム、充実したローエンドが魅力です。

Faceモードはシリコン仕様のファズフェイスサウンドを再現した、輪郭のハッキリとしたブライトな味付けのトーン。
ギター側のボリュームを絞った際のクリーンアップのレスポンスが素晴らしく、手元でのダイナミクスをつけやすいモードになっています。

Maestroモードは元祖FZ-1を手本にとっており、4モードの中では最も荒々しくダーティ。
FZ-1の当初の宣伝資料にもあった歪んだサックスのようなサウンドを見事に再現しています。

Single Transistorモードはその名の通り、トランジスタを一つだけ使うことでブリッとした粗めの歪みを生み出します。
弦の周りに薄い歪みの膜がまとわりつくような質感で、ファジーなテイストをほんのり加えたブーストにも最適でしょう。

OCTAVE MIXコントロールはアッパーオクターブを追加し、既存のファズではあり得ないような「各モード+オクタヴィア」サウンドを作り出せるユニークな機能。

CLEAN MIXコントロールはファズトーンに入力音のクリーンなサウンドを混ぜることができ、強く歪ませた場合に失われていく音程感や音の芯を補正できます。

EQはHIGH CUTLOW CUTが設定されており、EQを通すINポジションとEQをバイパスするOUTポジションとを切り替えるだけでも音質は変わります。

実際にFaceモードでEQ OUTとEQ IN(HIGH CUTとLOW CUTは全開=7:00位置)の状態で同じフレーズを弾き、アナライザーに通してみたところ、以下の写真のようになりました。

50Hz以下と12kHz以上に相当する帯域が削れられており、150-200Hzや700-800Hz、2kHzあたりも大人しくなっていますね。

更にHIGH CUTのみを全閉(=5:00位置)にした状態、LOW CUTのみを全閉にした状態で同じフレーズを弾き、再度アナライザーを通してみました。

HIGH CUTは2kHz付近から上の帯域に、LOW CUTは600Hz付近から下の帯域に対して掛かっていることがわかります。

基本的にはEQ OUTの状態で使うのがこのペダルの迫力あるファズトーンを最も引き出せると思いますが、接続するアンプのキャラクターに合わせた補正用として使ったり、OCTAVE MIX使用時に意図的にレンジを絞ってオクターブサウンドを強調してみるのも面白いかもしれません。

どのモードでもGainの幅が広く、どんなセッティングにしても使えない音にはならない、非常に実用性に優れたファズに仕上がっています。
基本的なサウンドキャラクターだけでも4in1、オクターブとクリーンミックスにEQ IN/OUTの機能も考えれば作り出せるトーンの幅は更に増す、と考えれば、一台で2-3万円が当たり前のブティッククオリティのファズをあれこれ試すよりもSTONE AGEひとつである程度の定番サウンドは賄うことができ、税込み30800円という価格対比で見てもかなりコストパフォーマンスに優れた一台と言えるでしょう。
「ビッグマフもファズフェイスもマエストロもオクタヴィアも持ってるけど、全部持って動くのもいちいち繋ぎ変えるのも面倒」という方にも、「クオリティの高いファズは欲しいけど、どの系統のファズがいいかは決め兼ねている」という方にも、ぜひ一度試していただきたい利便性に優れたファズペダルです。

Thermion Pedals / STONE AGE 4モードファズ 販売価格:¥ 30,800 (税込)

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